03. 活動報告

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神奈川県がん克服条例の解釈について(含む「神奈川県がん克服条例の運用について」)概要 平成20年7月10日保健福祉部

神奈川県がん克服条例の解釈について(詳細)

1. 経緯

  • 平成20年3月に、議員提案による「神奈川県がん克服条例」が制定され、同年4月1日から施行された。
  • 同条例の円滑な施行に当たっては、逐条的な解釈・運用を定める必要があることから、次のとおり、解釈通知及び運用通知を定めた。

「神奈川県がん克服条例の解釈について」

(平成20年4月1日健増課第10038号 保健福祉部長通知)

  • 神奈川県がん克服条例の円滑な施行を図るため、同条例の逐条解釈を明らかにしたもの。各条文の趣旨や規定された内容の解説、がん対策基本法の規定との異同等を記載。

「神奈川県がん克服条例の運用について」

(平成20年4月1日健増第10039号 健康増進課長通知)

  • 神奈川県がん克服条例の円滑な運用を図るため、各条文の規定を施行するに当たっての具体的な手続きや条例の適用に当たっての基準、条文の規定された具体的な施策や事業等について明らかにしたもの。同条例は、政策条例であることから、本通知では、条例の規定内容を具体化する施策や事業等について、主に記載。
  • 条例施行後も、議会における政策議論や予算編成課程における議論等を通じて、個別の施策や事業等が具体化していくにしたがって、必要な改正を行う。

2. 内容

目的(第1条関係)

【解釈】

本条例の目的を明らかにしたもの。

(目的)

がん対策基本法の趣旨を踏まえ、都道府県がん対策推進計画の実効性を確保し、すべての県民が科学的知見に基づく適切ながん医療を受けられるようにするための総合的ながん対策を県民とともに推進すること。

【運用】
  • 具体的には、「がんへの挑戦・10か年戦略(改訂計画)」の実効性を確保することによって、本県の総合的ながん対策を推進することを目的としたものである。
  • 県民の立場に立って10か年戦略を補強、補完し、総合的ながん対策を恒久的に県民とともに推進していくためのものという提案理由説明等で示された本条例の理念や趣旨を踏まえた目的規定となっている。

関係者の責務(第2条~第4条関係)

【解釈】

がん対策に関する県、保健医療関係者及び県民の責務を定めたもの。

(県の責務)

関係団体との連携を図りつつ、本県の地域特性に応じたがん対策を策定すること及びそれを実施すること等

(保健医療関係者の責務)

県が講ずるがん対策に協力するよう努めること

(県民の責務)

がんの予防に細心の注意を払うとともに、積極的にがん検診を受けるよう努めること

【運用】
  • 本条例に基づく県の責務とは、関係団体との連携を図りつつ、10か年戦略を策定し、実施することである。
  • 10か年戦略では、関係団体から構成される「神奈川がん克服県民会議」を設置し、がん予防や早期発見などの取組みを県民運動として進めているとともに、県民に期待される役割として、がんの予防のための生活習慣改善やがん検診の積極的な受診に努めることを位置付けている。

がん予防及び早期発見の推進(第5条関係)

【解釈】

県が、がんの予防及び早期発見の推進について必要な施策を講ずることについて定めたもの。

(必要な施策)
  • 食生活や喫煙、運動などの生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響に関する普及啓発など
  • がん検診の質の向上等を図るために必要な施策や、がん検診に関する普及啓発など
【運用】
  • 10か年戦略では、「予防」については、たばこ対策とがん予防に向けた生活習慣の改善に重点的に取り組むこととしている。
  • 「早期発見」については、がん検診を積極的に受診するための周知啓発や情報提供、人材育成などがん検診の基盤づくりを進めることとしている。

がん医療に関する情報の収集及び提供(第6条関係)

【解釈】

県が、がん医療に関する情報の収集及び提供に関して必要な施策を講ずることについて定めたもの。

(必要な施策)
  • 診療情報の収集及び提供など
  • がん患者のがんの罹患、転帰その他の状況に関する情報を収集し、分析するための「地域がん登録」など
【運用】
  • 本県では、「地域がん登録」に当たる施策として、「神奈川県悪性新生物登録事業」を昭和45年から実施している。
  • 10か年戦略では、「悪性新生物登録事業」の精度向上を図るとともに、がん登録に従事する人材育成のための研修を実施することとしている。

がん医療の水準の向上(第7条関係)

【解釈】

県が、がん医療の水準の向上に関する必要な施策を講ずるよう努めなければならない旨の努力義務を定めたもの。

(必要な施策)
  • 都道府県がん診療連携拠点病院の機能の強化及び整備
  • 地域がん診療連携拠点病院の機能の強化
  • がん診療連携拠点病院その他の医療機関等の間における連携協力体制の整備
  • 都道府県がん診療連携拠点病院と地域がん診療連携拠点病院との連携の強化
  • 放射線療法及び化学療法の推進並びにがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成
【運用】
  • 10か年戦略では、「医療」に関しては、県立がんセンターの総合整備と、地域がん医療のネットワークづくりを二つの大きな施策として推進することとしている。
  • 本県の都道府県がん診療連携拠点病院である県立がんセンターについては、総合整備により機能充実を図るとともに、重粒子線治療装置の導入を進めることとしている。
  • 地域がん医療のネットワークづくりに関しては、都道府県がん診療連携拠点病院・地域がん診療連携拠点病院の機能充実を図るとともに、地域でがん診療を行う病院や診療所と地域がん診療連携拠点病院とのネットワークづくりや、都道府県がん診療連携拠点病院と地域がん診療連携拠点病院との連携強化を図ることとしている。

研究の推進(第8条関係)

【解釈】

県が、がんに関する研究の推進のために必要な施策を推進することについて定めたもの。

【運用】
  • がんに関する研究の推進のための施策としては、神奈川県立がんセンター臨床研究所による研究のほか、「神奈川がん臨床研究・情報機構」における産学公による共同研究が進められている。

緩和ケアの推進(第9条関係)

【解釈】

県が、緩和ケアの充実を図るため、緩和ケアの推進に関する必要な施策を講ずるよう努めなければならない旨の努力義務を定めたもの。

(必要な施策)
  • 緩和ケア病棟の整備の促進
  • 緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医療従事者の育成
  • がん患者の状況に応じた治療の初期段階からの緩和ケアの推進
  • 居宅で緩和ケアを受けることができる体制の整備の支援
【運用】
  • 10か年戦略においては、「緩和ケア」に関しては、「治療の初期段階からの緩和ケアの推進」と「地域でのターミナルケア体制の充実」という施策を進めることとしている。
  • 「治療の初期段階からの緩和ケアの推進」では、人材育成などによる緩和ケア医療の推進や在宅医療の充実強化などに取り組むこととしている。
  • 「地域でのターミナルケア体制の充実」では、緩和ケア病棟の整備や、ターミナルケアの人材の育成、ターミナルケア医療連携ネットワークの整備などを推進することとしている。

患者等の支援(第10条関係)

【解釈】

県が、がん患者の療養生活の質の維持向上並びに精神的及び社会的な不安その他の負担の軽減に資するために、患者等の支援に関する必要な施策を講ずるよう努めなければならない旨の努力義務を定めたもの。

【運用】
  • 10か年戦略では、がん診療連携拠点病院における相談支援機能の強化を図るなど、がん相談人材の育成を図るとともに、患者、家族への支援やこれを支えるボランティアのあり方や相談手法、情報提供のしくみづくりなどを検討することとしている。
  • 相談体制等の充実としては、「ピアカウンセリング相談」なども、取組の一つとして考えられる。
  • 患者等の支援のための必要な施策としては、重粒子線治療などの先端医療が受けられるようにするため、高額医療費の患者負担の助成措置の施策なども考えられる。

県民運動(第11条関係)

【解釈】

県が、関係団体と連携し、関係団体が行う県民を対象とするがんの予防及び早期発見を推進する活動に対して支援をすることについて定めたもの。

【運用】
  • 10か年戦略の推進に当たっては、関係団体から構成される「神奈川がん克服県民会議」を設置し、がん予防や早期発見などの取組みを県民運動として進めている。
  • がん患者及びその家族等で構成される民間団体とがん患者とその家族の支援を中心とした諸課題について検討する「神奈川県がん対策懇話会」において、がん患者団体等との連携体制の構築や団体の活動に対する支援を進めることとしている。

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