平成29年9月22日 第2回定例会

【質問】山口ゆう子

かながわ民進党の山口ゆう子です。通告に従い、順次質問をさせていただきます。
知事、教育長ならびに保健福祉局長におかれましては、明確なご答弁をお願いいたします。

質問の第1は、共生社会を目指す取組についてです。 まずは、障がい者の運転再開支援について伺います。 「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及に向け、県民に憲章の理念の理解そして共感を得るための取組をされていることは、認識しております。そして、障がい者にとって、憲章が実効性ある施策を展開していかなくてはならないと考えます。
本年度「かながわ障害者計画」の見直しの年であります。「障害児者のための制度」を含め、今まで以上の施策を積み上げ、また幅広に展開していくことが、憲章に魂を入れることだと思います。
そういった観点から障がい者の運転再開に向けた取組について伺います。
障がい者の自動車の運転は、障がい者の方にとって、社会の接点となる重要なツールであり、身体面、精神面の自立を支える重要な手段です。

障がい者の運転再開の事業を積極的に行っている県としては、長野県、宮城県、新潟県があります。運営は県直営だったり、民間団体であったりと違いはありますが、それぞれ主体的に福祉・医療部門が深く関わり、障がい者の運転再開に力を入れております。

例えば、長野県では県立のリハビリテーションセンターに併設された自動車運転訓練所や教習所と連携して運転の再開を支援していますし、視察で伺った宮城県では、運転支援の手引きを作成したり、研修会を開催したりするなど、県警の免許センターと連携しています。

また、新潟県では民間の研究会が医療機関と連携し、身体機能評価や神経心理学検査等判定基準を作成し県内同一カリキュラムによる実車評価をしています。

このように、理想的な形は、行政と、医療・教習所・免許センターとが一つになって連携することです。交通安全と社会参加の両立が必須です。

一方、神奈川県で運転免許の再開をする場合、医療機関から診断書をもらい、訓練が必要な場合は教習所へ、そして運転免許試験場で試験を受ける、という流れになっていて、制度的には、運転免許試験場の適性相談室に相談し、主治医の診断書や、適性検査等によって判断されていますが、その診断書を書くのに統一された基準はありません。

また、神奈川リハビリテーション病院には運転再開の訓練はありますが、それが出来るのは、入所者や通院している人に限られております。
こうした中、脳卒中等によって高次脳機能障害となった障がい者の方が、リハビリテーションを経て、運転の再開を希望する場合、まず、ご自身の障がいの状態を含め、どこに相談すればよいのか、わかりづらくなっていて、障がい者の運転の再開に向けては、例えば、関係機関によるプロジェクトチームを立ち上げるなど、一歩踏み出す取組が必要ではないでしょうか。

そこで、本県においても、障がい者の運転再開支援について、医療・福祉部門と警察本部等が連携し、取り組んでいく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

【答弁】知事

山口議員のご質問に順次お答えしてまいります。共生社会を目指す取組について、お尋ねがありました。まず、障がい者の運転再開支援についてです。
脳卒中や、脳外傷等による機能障害のため、自動車の運転を一時取り止めた障がい者の方が、安全を確保しながら運転を再開することは、社会復帰する上で、大変重要なことです。
こうした障がい者の運転再開を支援するため、県では、運転再開を希望する障がい者向けに、運転免許試験場の相談窓口や、教習を受けられる自動車教習所を、県のホームページで紹介しています。

また、県総合リハビリテーションセンターの相談事業の中で、脳に機能障がいがある方やご家族を対象に、運転再開への支援を含め様々な相談に応じています。

 

さらに、神奈川リハビリテーション病院においても、自動車運転を希望する入院・外来患者に対し、模擬運転が体験できる自動車運転シミュレータ装置を活用して、運転再開に向けたリハビリテーションを行っているところです。
このように、様々な支援を行っていますが、これらの情報が集約されていないため、運転再開を目指す障がい者にとっては、支援の内容や手続きが分かりづらいといった課題があります。

そこで、今後は、医療機関や運転免許試験場、自動車教習所等と連携し、情報の共有と集約を図ることで、障がい者の運転再開を支援していきたいと考えています。

また、運転再開に関する県の支援や市町村による運転訓練への助成制度等の情報を盛り込んだガイドブックの作成についても、検討を進めてまいります。
こうした取組みにより、障がい者の社会参加を促進し、「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指してまいります。

【要望】山口ゆう子

次に障がい者の運転再開について要望いたします。交通安全と障がい者の社会参加は、両立しなければならない、と先ほど申し上げました。ぜひ、障がい者の運転再開に向けて医療、福祉部門と警察本部の連携により他県のような身体機能評価や神経心理学検査等の判定基準の神奈川版の策定や運転免許試験場の相談体制の増員も視野に入れていただくなど、運転再開の事業化の実現に向けた取組みを着実に進めていただくよう要望いたします。

【質問】山口ゆう子

次に、かながわ人権施策推進指針に基づく取組みについて伺います。
共生とは、文字通り、「ともに生きる」と読みます。真の共生社会とは、障がい者だけでなく、高齢者や外国人、性的マイノリティとされる人々などとの共生であり、それぞれがお互いを理解し、認め合い、年齢、障害の有無、性別などに左右されない多岐にわたる社会の実現こそが、本当の共生社会であると考えます。共生社会の実現の前提としては、県民ひとり一人の人権尊重意識の醸成が欠かせないものであり、

そのための人権施策の取組みをなお一層推進していくことが必要であると考えています。

そうした中、昨年7月26日に、県立の障害者支援施設である津久井やまゆり園で発生した事件を受け、障がい者への差別や偏見が助長されることがないよう、事件に屈しない断固とした決意を示すため、10月に「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定しました。
さらに、県では、今年4月に、保健福祉局に新たに共生社会推進課を設置し、憲章の実現に向けて、その理念を広く県民に浸透させるための取組を行っています。そうした障がい者の共生を強く打ち出していることは理解できますが、本来の共生社会とは、それだけにとどまらず、人権施策のように、もっと広い視点からとらえていくべきだと考えます。

県では、平成15年6月「かながわ人権施策推進指針」を策定し、平成25年に改定をしていることは承知しています。この指針に基づき、関係する部局において様々な取組がされていますが、各分野で施策を推進していく上で、指針改定後に起きた「津久井やまゆり園の事件」や「憲章の策定」が何らかの影響があるように感じております。
そこで、「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定した本県としても、共生社会実現の前提とも言える人権施策について、どのように取組を進めていくのか、知事の所見を伺います。

以上です。

【答弁】知事

次に、かながわ人権施策推進指針に基づく取組についてです。
人権は、すべての人が生まれながらに持っている権利であり、人々が幸福な人生を送るために欠くことのできない大切なものです。
共生社会の実現に向けては、県民一人ひとりが人権尊重意識を高め、互いを認め合う社会を築いていくことが大変重要であると認識しています。

県では、人権尊重の明るい未来を切り開いていくため、平成6年に全国に先駆け「神奈川県人権施策推進指針」を策定し、数回の改定を経て現在の「かながわ人権施策推進指針」に至っています。
この指針の中では、子どもや障害者、外国籍県民など、人権課題として重点的に取り組むべき分野を掲げ、全庁挙げて、様々な取組を進めているところです。

こうした中、昨年7月に、津久井やまゆり園で、障害者の尊厳を傷つけ、人権を踏みにじる、大変痛ましい事件が発生しました。
県は県議会ともに、この事件を機に「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定したところですが、憲章にある「すべての人のいのちを大切にする」、「いかなる偏見や差別も排除する」という強い思いは、障害者のみならず、あらゆる分野の人権施策の根幹に通じるものです。

そこで、こうした考え方もしっかりと受け止め、人権施策推進指針に掲げる様々な分野の施策において、人権尊重意識の醸成を一層促進することにより、「人権がすべての人に保障される地域社会」の実現を目指してまいります。

答弁は以上です。
【質問】山口ゆう子

一点、再質問をさせていただきます。
先ほどの御答弁で、これからの人権施策の取組について、一定の理解はいたしました。
しかし、この指針の取組をまとめた県民向けの公開資料を確認しましたが、単に前年度実績と今後の予定が記載されているのみで、例えば、実績に対する評価や新たな取組内容などが、はっきりと示されておらず、県民に十分に伝わっているものにはなっていないと痛感いたしました。
この人権施策が、県民へより分かりやすく、見える化していくことが必要であると思いますが、知事の所見を伺います。

【答弁】知事

今、御指摘いただきました人権指針に基づく取組をまとめた資料は、外部有識者で構成する「かながわ人権政策推進懇話会」に報告し、ご意見をいただく会議用資料として作成したものでありまして、会議記録とともに県ホームページに掲載しているものであります。
これは、県民への広報用に作成した資料ではありません。
しかしながら、今後、人権尊重意識の醸成を一層促進していくためには、県の取組を県民の皆様に分かりやすくお示しし、ご意見をいただきながら施策を推進していくことが重要であると考えております。
そこで、今後は、県民の皆様に見やすく、分かりやすい情報発信ができるよう、実績の評価や情報のまとめ方、公表の仕方などについて、工夫・改善し、県の人権施策の「見える化」に努めてまいります。
答弁は、以上です。

【要望】山口ゆう子

しっかりと取り組んでいただき、県民からの評価や意見が、次期の指針の改定に反映できるよう、要望いたします。

【質問】山口ゆう子

次に、県政の諸課題について4点伺います。

まずは、がんセンターの駐車場など患者の利便性向上に向けたサービスの提供について伺います。
がんセンターは、都道府県がん診療連携拠点病院として、本県のがん診療において中核的な役割を担っています。平成25年11月に新病院を開院し、平成27年には重粒子線治療をスタートしたことから、患者数も以前と比べて大幅に増えました。県民にとって、高度で最新のがん医療を受けられる環境が整備されたことは大変喜ばしいことであり、一定の評価をするものです。

一方、がん患者にとっては、医療面の整備が重要なことはもちろんですが、治療を受ける上での利便性の向上や負担軽減ということも大切な側面です。
がんセンターでは、この5月から、二俣川駅とがんセンターを結ぶ送迎バスの運行を開始し、患者と付添の方が無料で利用できるようになりました。
しかし、駐車場については料金が値上げされ、300円であった駐車料金が500円になりました。これは約1.5倍の値上げにあたります。
突然がんセンターの駐車場料金が値上げされて驚いたということを、私も複数の方から伺いました。
がんセンターは本県のがん医療の拠点病院であり、県内各地から患者が来ています。中には、車でなければ不便な場所にお住まいの方もいますし、体調が優れず、公共交通機関を利用するのがつらいという方も多くいると思われます。そのような患者にとっては、今回の駐車場料金の値上げは大きな負担となります。
病院を経営する上で、必要なコストを利用者にご負担いただくということは理解できます。また、がんセンターの敷地は限られており、駐車スペースを有効活用するためにさまざまな工夫を行わなくてはならないことも当然です。

そのために駐車場料金の値上げが必要ということであれば、その必要性や妥当性をどのように検討したのか、例えば、患者の負担がより軽減されるような制度や、段階的な値上げなどの工夫ができなかったのか、また、利用者への周知を十分に行ったかなど、さまざまな疑問を感じております。
このことは、駐車場料金の問題だけではなく、患者サービスの提供をどのような考え方に基づいて行っているのかということにつながります。
患者にとっては大きな問題であり、ご理解をいただけるよう、制度設計や周知の方法を十分に検討し、患者の気持ちに寄り添った説明を行うことが重要です。
そこで、今回、がんセンターが駐車場料金の値上げを行った理由と、今後の患者の利便性向上に向けたサービスの提供の考え方について、知事の所見を伺います。

【答弁】知事

次に、県政の諸課題について何点かお尋ねがありました。まず、がんセンターの駐車場など患者の利便性向上に向けたサービスの提供についてです。
がんセンターの駐車場については、利用者の増加に伴い、混雑が常態化し、患者が治療の予約時間に間に合わないケースや、入庫待ちの車が公道まであふれ、近隣の迷惑となる事態が生じていました。
病院機構では、この解決に向け、駐車場の増設や立体化なども検討しましたが、土地の確保や多額の工事費用のため、対応は困難な状況でした。

一方、駐車場料金については、近隣の駐車場よりも、安価な設定となっており、これが混雑常態化の一因と考えられたことから、近隣の駐車場と均衡のとれた適正な料金の設定について検討を行ったところです。
がんセンターの駐車場料金は、従来、3時間までの基本料金が300円で、以降1時間ごとに100円ずつ上がる料金体系でしたが、検討の結果、この基本料金を、近隣の駐車場や市内の病院の価格を参考に500円に引き上げました。

また、患者の利用に対しては、30分までは無料とし、以降は利用時間にかかわらず基本料金のみとしていましたが、こうした負担軽減については、料金見直し後も継続しています。
このような料金の見直しと併せ、患者や家族の負担を緩和し、来院の利便性を高めるため、要望の多かった、最寄駅からがんセンターまでの、患者専用の無料シャトルバスの運行を開始したところです。
こうした取組みの結果、駐車場の混雑が緩和され、スムーズに利用できるようになった上、シャトルバスも利用率が高く、患者や家族からは、大変ご好評をいただいていると伺っています。

次に、利便性向上に向けたサービス提供の考え方ですが、病院機構は、患者へのアンケートなどにより、ニーズをしっかりと把握し、様々な工夫を凝らしながら、利便性の向上に取り組んでいます。
県としては、引き続き、そうした取組みを継続するとともに、今回のように一定の負担が生じる場合には、患者や家族に配慮した丁寧な対応を行うよう、病院機構に求めてまいります。

【質問】山口ゆう子

次に、小規模企業の販路開拓支援について伺います。
地域経済を活性化するには、創業・起業の促進による新たな担い手の創出、経営革新や生産性向上による企業の成長や経営の安定化、円滑な事業承継による廃業の抑制など、企業のライフステージに応じた支援が必要です。
特に小規模企業は、その地域経済を支える重要な存在でありますが、少子高齢化や人口減少による市場の縮小、グローバル化に伴う競争力の激化といった社会・経済情勢の変化の影響を受けやすく、事業を継続していくだけでも相当な努力が必要となっているのが現状です。

このような状況下で、県が6月に発表した「平成28年度中小企業・小規模企業経営課題等把握事業」によると、中小企業・小規模企業が重視している経営上の課題は「販路開拓」が52.6%と過半数を超えており、特に5人以下の小規模企業では、販路開拓が最も重視する課題となっております。
小規模企業は、日々の業務に追われ、広く市場を開拓することが不得意であり、特に開業間もない場合は、実績がないため、既存の市場への参入が困難な場合も多く、県として、小規模企業が発注企業と取引をする機会、きっかけを作っていくことが大切です。
県は、公益財団法人神奈川産業振興センター(KIP)と連携して、「九都県市合同商談会」を含む、数多くの受発注商談会を開催し、年間5,000件を超えるマッチングの機会を創出するとともに、毎年2月にパシフィコ横浜において、県下最大級の工業技術見本市である「テクニカルショウヨコハマ」を主催するなど、商談会や見本市を通じて 中小企業・小規模企業の販路開拓を支援していることは承知しております。

このような取組をより多くの企業に活用してもらうとともに、新商品や新サービスの開発を行っている意欲的な小規模企業に対して、認知度を高める機会の提供や、新規顧客の獲得など、県が販路開拓をさらに積極的に支援することが必要と考えます。
そこで、県内の小規模企業を活性化していくために、小規模企業の販路開拓を充実・強化することが重要と考えますが、県は新たな一手としてどう取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

【答弁】知事

最後に、小規模企業の販路開拓支援についてです。
小規模企業は、それぞれ独自の技術やノウハウを活かしたものづくりやサービスの提供を通じて、地域住民の生活と雇用を支え、地域経済の活性化などにも重要な役割を果たしています。

しかし、国内外での競争の激化や人口減少に伴う市場の縮小の影響などにより、小規模企業の数の減少が続いており、こうした傾向に歯止めをかけるには、売上の確保に向け、販路開拓を支援していくことが重要です。
そのため、県は、商工会連合会に設置した「小規模企業応援隊」を、企業に直接訪問させ、商品をPRするウェブサイトの制作など、販路開拓に利用できる国の補助金の活用を促してきました。

また、公益財団法人神奈川産業振興センターなどの中小企業支援機関と連携し、県内外の展示会への出展も支援しています。

しかしながら、財務基盤の弱い小規模企業にとっては、展示会出展費用のハードルが高いことや、受発注商談会に参加しても、認知度の低さなどにより、面談に応じてもらえない、受注を獲得できないなどの課題があります。

そこで、来年2月の「テクニカルショウヨコハマ2018」では、出展スペースを小さくすることで、従来の半額以下の料金で出展できる「小規模企業コーナー」を新たに設け、広く小規模企業の参加を促していきます。

また、今年度新設した「がんばる中小企業発信事業」で、独自の工夫により成長し、県が認定した企業を、マスメディア等を通じてPRし、認知度を高めていきます。

さらに、受発注商談会後の調査では、成約状況の把握に加え、取引に繋がらなかった要因を分析し、神奈川産業振興センターが、発注企業の価格や品質に対するニーズを満たすためのアドバイスを丁寧に行うなど、フォローアップの充実を図っていきます。
こうした取組を通じ、小規模企業の販路開拓支援を充実・強化していくことで、県内の小規模企業を活性化してまいります。

私からの答弁は以上です。

【質問】山口ゆう子

1点、再質問をしたいと思います。
先ほど、小規模企業の販路開拓の新たな一手を伺いました。県内の小規模企業を含む中小企業の販路開拓には、大手企業や勢いのある中堅企業などとの連携も効果的であると思います。県では、以前は「インベスト神奈川」、現在では「セレクト神奈川100」という誘致制度を設け、大企業を含む成長性の高い企業を数多く誘致してまいりました。
こうして誘致した企業と、県内の小規模企業等とのマッチングを推進することは、小規模企業等にとっても、また、県域における経済発展という面からも効果的ではないかと考えますが、知事の所見を伺います。

【答弁】知事

県内の小規模企業を含む中小企業への発注を増やすことは、県経済の活性化にとっても大切なことでありますから、誘致した企業など約200社に、県内小規模企業等への積極的な発注に努めるよう要請しています。
また、神奈川産業振興センターが実施する「受発注商談会」への参加の呼びかけなども行っています。
今後は、さらに、誘致した企業を職員が訪問する際、試作品でありますとか、発注量が少ない加工品も含め、小規模企業等に発注可能なものがないか掘り起こしを行い、「受発注商談会」での発注につなげるなど、小規模企業等への発注の拡大に努めてまいりたいと考えております。

【質問】山口ゆう子

今、知事より、小規模企業等とのマッチング、掘り起こしといった課題もお答えいただきました。
「セレクト神奈川100」は、平成30年度までと承知しております。制度見直しの際には、是非、県内経済の活性化の観点から、小規模企業等を含む中小企業への発注を位置付けるなど、次期の企業誘致施策で、小規模企業等により活性化するような方策を講じていただくよう要望いたします。

【質問】山口ゆう子

次に、糖尿病の重症化の予防プログラムについて伺います。

糖尿病にはⅠ型とⅡ型があります。Ⅰ型は体内のインスリンが分泌されなくなって発症する病気であり、発症後はインシュリン注射が欠かせなくなります。主に、子どもや若い人の発症例が多く、平均12歳で発症するというデータはありますが、根本的な原因が解明されていません。このⅠ型糖尿病の正確な統計データはありませんが、関係団体の資料によると、Ⅰ型の糖尿病は糖尿病患者数全体の5%程度といわれており、平成26年10月に厚生労働省が行った「患者調査」に当てはめると、糖尿病の総患者数は全国で316万6000人、神奈川県は19万6000人程度となり、本県には、1万人程度のⅠ型糖尿病患者がいることになります。

先日、東京にある国立国際医療研究センターに赴き、Ⅰ型糖尿病の研究活動等を伺いましたが、学会としては、Ⅰ型の糖尿病を指標化して重症患者を難病指定してもらう方向で進んでいるとのことでした。

一方、Ⅱ型の糖尿病は、インスリンの分泌が弱かったりインスリンが効きにくいという遺伝的要素に、過食や運動不足などの環境的要素が加わり、インスリンの作用が低下して発症するとされています。また、40歳以上の発症が多く、加齢とともに増加すると言われています。
肥満・運動不足などをきっかけに発症する生活習慣病であり、糖尿病患者の多くがⅡ型であることから、規則正しい生活習慣や定期的な健診などによる予防を中心に、県でも重点に施策を展開していることは認識しております。

この糖尿病は、Ⅰ型・Ⅱ型も放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こすと言われており、今後、高齢化が進み、社会環境も変化していく中、合併症を発症しない、また重篤化しないよう、糖尿病患者数増加への対策が課題となっており、また厚生労働省の国民健康・栄養調査によると糖尿病になる割合が高い高齢者が増えているという報道が昨日あったところです。合併症の中でも、糖尿病性腎症については、人工透析まで進んでしまうと生活に著しい支障が生じ、患者の生活の質を低下させるだけでなく、医療費も高額となり、経済的な負担も大きくなります。
このようなことから、国では昨年3月、日本医師会、日本糖尿病対策推進会議と3者で、全国で糖尿病性腎症重症化予防に向けた取組を促進するため、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定しました。そこでは、都道府県、市町村、医療関係者の役割と相互の連携体制を示すなどしており、全国的な対策が始まっています。

そこで、このような国の動きを受けて、糖尿病対策として本県ではどのような視点で重症化の予防プログラムの策定を進められていくのか、保健福祉局長に伺います。

【答弁】保健福祉局長

保健福祉局関係のご質問にお答えいたします。
糖尿病の重症化の予防プログラムについてお尋ねがありました。
糖尿病は、放置すると腎症などの合併症を引き起こし、患者の生活の質が著しく悪化するだけでなく、医療費の増大を招き、その負担を社会全体で負うこととなります。

また、平成30年度から始まる国民健康保険制度改革では、保険者努力支援制度が導入され、市町村が糖尿病の重症化予防に積極的に取り組むことで、国の交付金がより多く配分される仕組みが設けられます。

このように、糖尿病対策は、患者の生活の質の確保に加え、医療費の適正化や、国民健康保険財政の安定化にもつながる大変重要な取組であります。

こうした中、国が策定した糖尿病性腎症重症化予防プログラムでは、都道府県の役割として、地域の実情に応じてプログラムを策定し、市町村における取組を支援することが盛り込まれています。
これを受け、本県では、県医師会、県糖尿病対策推進会議と議論を重ね、神奈川県版の糖尿病未病改善プログラムの策定を進めているところです。
このプログラムでは、本県独自の取組として、内容・対象を腎症対策だけに限定せず、糖尿病全体を対象とし、未病改善の視点から幅広い取組を行っていくこととしております。

さらに、未病改善の取組として、専門職によるグループワークを通じて、生活習慣の改善を促す保健指導も盛り込んでいきたいと考えています。

今後、県医師会、県糖尿病対策推進会議とも調整した上で、年内には糖尿病未病改善プログラムを策定する予定としています。
県としては、今後とも、市町村や県医師会、県糖尿病対策推進会議などの関係団体と一層の連携を図りながら、糖尿病対策にしっかりと取り組んでまいります。

私からの答弁は以上です。

【要望】山口ゆう子

次に、糖尿病の重症化の予防プログラムについて要望いたします。

先ほどのご答弁では、年内を目処に策定されるということでした。しっかりと県版の予防プログラム策定により、Ⅱ型の糖尿病患者の重篤化を防いでいただきたいと思います。
質問の中でも申し上げましたが、Ⅰ型糖尿病は指標化され、重症患者を難病指定の方向を学会が打ち出そうとしております。しかしながら、難病指定になっても、来年1月には国の経過措置がなくなり、難病患者の自己負担は2万円が上限になります。私もⅠ型の糖尿病患者で、月額2万円の医療費がかかっていますので、たとえ難病指定されても、なんら経済負担の軽減にはなりません。

また、佐賀市にあります、認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワークにまいり、Ⅰ型糖尿病患者への活動内容を聞いてまいりました。この法人では、Ⅰ型糖尿病を治らない病気から治る病気にすることを目指していて、それを応援する政財界、研究、医療、NPO等の関係者からなる、100人委員会、いわゆる応援団を発足させ、Ⅰ型糖尿病の社会的共感のアップに力を入れていました。

それから、Ⅰ型はいつ発症するか分かりません。小児のときに発症すれば、インスリン注射を打つことは生活の一部として取り入れられる可能性はあります。また、Ⅰ型糖尿病による小児慢性特定疾病医療費の県域支給認定者は、平成29年3月現在で143人いらっしゃいます。しかし、成人になれば、この支給は打ち切りになります。高齢になって発症された方は、注射を打つことが受け入れにくく、心のメンテナンスが必要になるともおっしゃっていました。
本県には、成人のⅠ型糖尿病の対策をしている課はありません。佐賀市にあるようなNPO等、ネットワークも確認できませんでした。せめて、Ⅰ型糖尿病患者が相談できる体制も、ぜひお考えになっていただきたいと要望いたします。

【質問】山口ゆう子

最後に、教員のコンプライアンス向上について伺います。
教員の不祥事は、不祥事を起した教員個人にとどまらず、本県の教員及び教育行政に対する県民からの信頼を失墜させるものです。
しかしながら、教員の不祥事については、過去5年間の状況を見ても、常に二桁を超える懲戒処分が行われ、昨年度の懲戒処分者の数は、平成27年度より13人多い27人と、不祥事の根絶に至っていない状況は、大変、遺憾です。特に、最近では、8月23日に大麻所持による逮捕や、9月7日には、体罰等により懲戒処分があり、また、わいせつや窃盗などの法令違反の事案も数多く発生しています。 県教育委員会では、不祥事の根絶に向け、これまで、各学校での不祥事ゼロプログラムの作成などの様々な不祥事防止対策を講じております。

また、本県では平成16年4月に、職員の基本姿勢、心構え、遵守すべき服務・守るべきルール等について定めた「神奈川県職員行動指針」と「神奈川県職員行動指針ハンドブック」を作成したり、職員に周知の上で、取り組んでおり、この行動指針は、教員も対象となっていることは承知しております。

しかし、このハンドブックを見ると、一般職員を主に対象としており、不祥事の多い教員に特化したものとなっておりません。
教員の不祥事が絶えず、特にわいせつや窃盗など、教員による法令違反になる重大な不祥事が多く発生している状況や、さらに教員の場合は、児童・生徒への影響の大きいことを考えると、教員の法令遵守、いわゆる、コンプライアンスの向上の観点からも、更に踏み込んだ不祥事防止の取組が重要ではないかと考えます。
そこで、県民の教育行政への信頼回復に向け、教育委員会独自の教員のコンプライアンスの向上のためのマニュアルを早期に作成するなど、不祥事防止対策の実効性を高める取組が必要だと考えますが、教育長の見解を伺います。

以上です。

【答弁】教育長

教育関係について、お答えします。
教員のコンプライアンス向上についてです。
教員の不祥事は、人格形成期にある児童・生徒に大きな影響を与えることから、大変深刻に受け止めています。
このため、県教育委員会では、平成18年度以降、独自に、「不祥事ゼロ運動」を進めており、この中で、すべての所属において、教職員の行動計画を作成するなど、不祥事の未然防止に取り組んでまいりました。

    

また、私自身も、地域別の学校長会議などの場に赴き、直接、校長に注意喚起を重ねてきたところです。

しかしながら、教員による、わいせつ行為や窃盗など、不祥事の発生は後を断たず、これまで以上に、教員に対して、高いモラルと遵法意識を求めていくことが必要と認識しております。
あわせて、議員からも、これまでの取組は教員に特化していないのではないか、とのご指摘をいただきました。

そこで、今後、教職員全体への取組と併せて、教員の業務の特性を十分踏まえた不祥事防止の取組を進めていきたいと考えています。
具体的には、不祥事の発生件数が多い、経験の浅い教員に対して、改めて、管理職による個別の面談や研修等を通じて、教壇に立つ者としての責任を自覚し、不祥事を起させない意識の醸成を図ってまいります。

また、ご提案いただいた、対象を教員に特化した不祥事防止のためのマニュアルの作成も進めていきます。
このマニュアルには、例えば、教員が部活動の連絡などで、生徒のメールアドレスを取得する際には、学校で定めたルールに従い、保護者や生徒の了解を得ることなど、実際の業務を想定した行動例を盛り込み、実効性のあるものとします。

そして、今年度中に、このマニュアルを作成し、県立学校教員への研修等の場で、使用するとともに、市町村教育委員会での活用を働きかけてまいります。

答弁は以上でございます。

【要望】山口ゆう子

次に教員のコンプライアンス向上について要望いたします。
今年度中を目途に作成という前向きなお答えをいただきました。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

また、教員に限定したコンプライアンス向上のためのマニュアルは、他の県に先駆けての取組みになります。
そのためにもしっかりとした内容でなくてはならないと考えています。
今、画面で概念図をお示ししていますように、コンプライアンスの捉え方は単なる法令遵守だけではなく、社会貢献まで視野に入れたマニュアルをぜひ作成していただき、神奈川県の教育行政が信頼されるものになっていただきたいと要望いたします。

神奈川県会議員山口ゆう子の考える県政とは?

山口ゆう子神奈川県議会議員

  • 神奈川大学卒業
  • 青山学院大学大学院
    経営学研究科修了
  • NPO渋谷・青山景観整備委員
  • 2007年神奈川県議会選挙初当選
  • 2011年神奈川県議会選挙再選(二期目)
  • 2015年神奈川県議会選挙再選(三期目)

詳細は、プロフィールをご覧下さい。

所属委員会

2017年

  • 議会運営委員会
  • 文教常任委員会
  • 予算委員会 副委員長

2016年

  • 文教常任委員会

2015年

  • 総務政策常任委員会 副委員長

2014年

  • 県民企業常任委員会 委員

2013年

  • 産業労働常任委員会 副委員長
  • 地方分権・行財政改革特別委員会
  • 環境審議会委員
  • 開かれた議会づくり検討委員会

2012年

  • 環境農政常任委員会 副委員長
  • エネルギー政策特別委員会

2011年

  • 文教常任委員会
  • 社会問題総合対策特別委員会

2010年

  • 防災警察常任委員会

2009年

  • 文教常任委員会
  • 食育・食の安全推進特別委員会

2008年

  • 商工労働常任委員会
  • 食育・食の安全推進特別委員会

2007年

  • 県民企業常任委員会
  • 安全安心推進特別委員会

山口ゆう子事務所

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