今日は5つの柱、多重債務者の対策、男女協働参画の推進、NPOとの協働、県立新ホールの関係、個人情報と、この5つの柱を聞いて参りたい。
まず最初に、多重債務者の対策及び推進についてということで、特に多重債務になる前の入口と、その後多重債務者が二度と多重債務に陥らないということ、それを中心に聞いて参りたい。
まず、一口に多重債務といっても本当にいろいろな原因があろうかと思う。それを県として、より細かく現況を把握しているのかお答えいただきたい。
多重債務に陥る原因として、平成18年3月に独立行政法人の国民生活センターが行った調査があり、消費者金融の返済が困難になった方の借り始めの主な動機を整理しているが、まず第1が「収入の減少」で25.6%、次がもともと「低収入」が20%、3番目が「事業資金の補填」これが16.2%、「物品購入」これが14.2%、「ギャンブル費」が13.0%と多岐にわたっている。
返済困難に陥った時期における借り入れについては、借金返済のためにまた後で借金をする、といった方が51.5%で最も多いということで、借りはじめと、返済困難に陥った時期では原因が違うということである。本県の状況は、平成18年度3,046件の相談があると先ほど申し上げたが、詳しい借り入れの事情等はお聞きできないわけであるが、相談員が話しの中で伺った経緯によると、先ほどの調査と同様の傾向だということは聞いている。人数にしても、全国で200万人を超えているということで、本県に当てはめて人口比割合から考えてみると10何万人ということになるが、年間相談3,046人ということで、どこにも相談できないで苦しんで人が多くいる、ということが推測される。
電話相談と特別の相談会を始めたところと、先ほど説明があったが、県民サイドからみると、地元の市町村で取組みをすると、顔見知りが多く、なかなか多重債務相談を受けにくいと、そういった面があると私は考える。
こうした県民に対する配慮や、また配慮をしすぎると広報をしにくいといったことがあるが、どのように広報を進めていくのか具体的な方策を伺いたい。
電話相談や特別相談会を開設する際の配慮であったり、広報であったりといったお話であったが、確かに、こうした問題については、問題の性格上、隣近所の方とかには、なかなか知られたくないと思われる方が多いと聞いている。
まず相談の方法であるが、この4月から始めたメール相談、これは匿名での相談も可能であるし、また、専用電話での相談や特別相談会といった、様々なパターン、ツールを用意し、相談者の方の希望の日程であるとか、こういったことに対応できるような体制を組んでいる。 特別相談会については、事前に電話で予約をして頂き、時間指定で来ていただく。そういったことで、必要最小限の人にしか会わないような配慮をし、面談を行った部屋も個室を用意したので、相談の内容を他の人に聞かれる恐れはなく、安心して相談を受けられるような体制とし、配慮をした。
今後は、県内各地で各市と共催で行うが、地元市以外でも近隣の市町村に住んでいる方にも相談できるというようなことを考えている。PRについては、県のたより、ちらし等で広報をしていたわけだが、ちらしの中身は、「あきらめないで、悩まないで」といったようなことで、相談に来れば解決する道は必ず見つかりますというような、まず励ましの言葉を大きく入れて、「じゃあとにかく一回来てみようか。」と言った気持ちを起こさせるような文面としている。

県として相談窓口を充実させながら、また広報も進めていくといったようなお話しだったが、先ほどの説明のなかで、掘り起こしというものも考えなければいけないとのことであった。
生活保護を受けている方や、公営住宅の家賃の徴収等の場面であったり、また、民生委員・保護司等は、掘り起こしに、県民に一番近いところにいらっしゃるので、そういった方々が掘り起こしに必要であると考える。そうした関連窓口、あるいは連携とか、どのように県としては考えているのか。
関連する方々との連携とのことであるが、多重債務者対策協議会の構成団体の中には、県庁内の関係課も多数、13課になるが、入っているので、電話相談あるいは特別相談会などの取組みについては、関係課やその出先機関にも事前に周知徹底をしている。
周知徹底の中身であるが、県の各機関あるいは窓口機能を持つ市町村に相談者が来られた場合に、生活保護や税金、公共料金滞納などの原因が多重債務と思われる場合には、県の相談窓口を紹介いただきたいと依頼したところである。この他、民生委員や保護司のご協力も必要であるので、そういった方の団体に対しても同様の依頼をしていく。また、市町村に対しても担当課長会議を開催し、市町村独自での相談窓口の整備と、市町村内の関係部署の連携した多重債務者の掘り起こしをしていただくよう要請したところである。
さきほど、現状の相談件数が平成18年度3,046件と伺ったが、その中で外国籍の方々が占める割合は把握しているか。
3,046件の中には、国籍は聞いていないが、少なくとも日本語が不自由な方はいらっしゃらないということは把握している。
神奈川には多くの外国人の方々が住んでおり、この質問にあたって3人の弁護士の方に話を伺って来た。
特に外国籍を持った方が多重債務に陥るケースが多いのは、特に外国籍の女性が日本国籍の男性の方と結婚し、子供が生まれ、その後、夫が行方不明になり、生活苦のため、弁護士のところに相談に来るケースが非常に多いという統計を取らせてもらった。そういった方々が生活再建のためのカウンセリングや消費生活センターに相談に通常来ると思うが、相談に来られた外国籍の方に、どのような対応をしているのか、もう少し詳しく伺いたい。
相談窓口に、日本語が不自由な方が、実際にご相談にこられた事例は現在までないが、もし、かながわ中央消費生活センターに来られた場合には、同じ建物の中にある「外国籍県民相談窓口」と連携し、問題の解決に向けた相談を行ってまいりたいと考えている。
具体的には、同じ建物の中にあるので、消費生活相談員が2階に同行して一緒に相談の話を聞く。あるいは、2階の職員から問い合わせがあれば、専門知識で相談員が答えていくという事を想定している。
より細かい対応をして頂きたいと思う。
多重債務に陥る原因は本当にいろいろな社会現象から含まれていると考えるが、この原因を除かない限り、多重債務という言葉と多重債務者という関係が取り除けないと思っている。その原因を取り除かなければ、任意整理、いわゆる、通称、債務整理といわれていることをやらなければならない、県としてやらなければならないと思っているが、二度と多重債務にならない、本当に具体的な方策というものは考えているのか。
多重債務の債務整理、これは、弁護士あるいは司法書士にある程度お任せして解決をしていく、こういったことであるが、委員お話しのとおり、原因を取り除かないと再び多重債務になってしまうということなので、自己の家計の管理、これをしっかりとやっていくことが必要と考えている。
来年度については、既にそういった事業を行っているNPO等と協働して相談体制を構築していきたい。また、その後の対応であるが、NPOとの協働事業は、最長で2年間という時限があるので、2年間の間に、多様なNPOとの連携内容やケース毎のアドバイス内容など、こういったノウハウを蓄積してきちんとまとめ、それを市町村にも伝えることにより、市町村においても生活再建を念頭に置いた相談対応ができる、こういったようなことに繋げて、県、市町村相談対応の充実を図って参りたい。
ありがとう。私は、多重債務者への対策について、根本的な対策は事前教育であると考えている。特に学校教育、高校、専門学校、大学等授業の中で、多重債務についてどう取り組んでいかなければいけないのか、とういうことを県として考えなければならないと考えている。このことについて県はどのように思っているのか。
また、学校教育だけでなく、社会人への教育、難しいとは思うのだが、それにどう取組んで行こうとしているのか、これもより具体的に伺いたい。
学校教育の関係であるが、県と教育委員会、私学も含めて、「学校における消費者教育推進協議会」を昭和63年度に作っており、毎年、この協議会を基にいろいろな活動をしているところである。
学校において、多重債務はどのように教えているかということであるが、消費者教育の一部に入ると思うが、高校であると、家庭科であるとか公民等の教科の中で教えている。あるいは、ホームルームであるが、生徒指導、生活指導、こういったものの中で教員が生徒に指導しているといったことがある。
こういった授業、生活指導で役に立つよう、消費生活課としては、毎年度、高校の生徒用に消費者教育のDESIREという冊子があり、これを配布し、授業なりホームルーム等で使えるようにお願いしている。そのDESIREの中に、今年度について多重債務を新たに項目として設けて、高金利の怖さ、安易なキャッシングへの注意、多重債務に陥った場合の解決方法などを織り込んだところである。
その他、専門学校、大学の教育の場面では、高校を出て入ってきたときに、新入生のオリエンテーション等で、多重債務なり、金銭教育といったものは必要であるので、大学の教務課や学生課の担当者を集め、そういった講座を開催し消費者教育の重要性について啓発している。同じように、社会人についても新入社員に対して啓発をすることが効果的であるので、やはり企業の人事、研修担当者、こういった方を集めて講座を行って企業内で教育するようお願いをしている。こういったことを今後とも更に進めて行きたいと考えている。
先日民放のテレビで、盛岡市の取組みが紹介されていた。一日も早く多重債務者の方が生活の再建の道を歩んでいただくように、その相談しやすい体制作りと、相談員の育成、関係団体との報告・連絡・相談これをより密にし、充実して頂きたいと思う。
また、一度、債務整理をしても、再び多重債務状態になってしまう、ゆくゆく個人破産といった方向に行く人も多くいると聞いている。税金面でいうと、この個人破産を受けると、その処理のため法テラスを利用すると、その費用を立て替えるとなっているが、この費用が1件あたり、幅があるが2万より4万円、個人破産の場合は、40万円前後の税金が立替になると聞いている。個人破産になれば、結局は立替金全額が税金の投入となってしまうのであるから、多重債務にならないための方策をいろいろ考えて頂きたいと思う。
また、債務も企業の翌年度の法人税から引かれる訳であるから、その額も膨大な額になるかと思う。であるので、より力を入れていただきたい。であるので、その徹底対策に力を注いでいただくことを要望する。
県民企業常任委員会(平成19年10月2日)
(民主党・かながわクラブ 山口委員)

神奈川県では、男女共同参画社会をめざしてより早い時期から取組みを始めてきており、条例に基づく企業の協力や、平成15年度からは現在のプランに基づき女性の人材の育成、普及啓発、いろいろ取り組んでいらっしゃるとのことである。
そこで、これまでの取組みについて進んでいる面と、そうでない場合はなにが理由なのかお伺いしたいと思う。
これまでの取組みで進んでいる面としては、意識の面で「夫は外で働き、妻は家を守るべき」といったような社会全体の意識が変化して、法制度や条例も整備された。こうした背景を受け、社会のいろいろな場面に女性が参画して、男女がともに活躍する姿が見られるようになったということがあげられると思う。
次に、進んでいない面としては、女性が実際に活躍している場面をみると、女性の生き方、働き方が、いくつかの階層に分かれてきているのではないかと思っている。
例えば、県条例の方で対象の事業所について、届出をしていただいているが、平成18年度の事業所の従業員の状況を見ると、男性は、正社員として働く人が約9割、非正社員は約1割、一方、女性の方は、正社員が約6割、非正社員が約4割となっており、女性の多くは非正社員として働いている。また、部長や課長といった管理職における女性の占める割合は3.8%で、女性の管理職への道はまだまだ狭く、正社員の女性の中でも、ごく一部の人に限られた人にしか、関門をくぐれないのではないかと思っている。
このように、依然として男女の格差の解消が事実上進んでいない背景としては、男女雇用機会均等法など法整備されたものの、ひとつ目は、家事や育児、介護などの家庭生活の負担の大部分は、依然として女性が担っている。また、本県の場合は通勤時間、就労時間ともに長く、家庭生活の負担を担っている女性については、正社員として就労することが難しい状況となっている。三点目は、長時間労働や成果主義のような厳しい雇用環境の中で、正社員であっても、家庭生活の負担を担いながら男性と同じ条件で管理職を目指していくということが難しい状況があるのではないかと考えている。
まだまだ女性にとって厳しい状況ということであるが、新たなプランを進めていく方向として、啓発の取組みに加え、具体的で実効ある取組みを進めていくとの説明だったと思うが、厳しい状況に対応していくためには、どんな具体的な取組みが必要なのか教えていただきたい。
女性に対する支援として、これまでの講座を中心とした取組みから、今後は個々人の問題に具体的に対応する、相談の取組みを行っていく必要があると考えている。たとえば、就職に関する悩みや情報提供を行う窓口を設置して、再就職活動や正社員への転職、子育てしながらのキャリアアップ計画づくり、在宅でできる起業など、個々の事情に応じた支援を行ってまいりたいと考えている。
次に、企業に対しては、個別に訪問して実情をお伺いしながら、他社で成果を挙げている子育て支援制度の事例などを紹介するなどして、女性が働きやすい環境づくりに協力いただけるよう働きかけてまいりたいと考えている。
さらに、男性に対しては、男性支援セミナーを設け、男性の子育て参加を支援するなど、具体的な支援を行ってまいりたいと考えている。
次に、「異性に対する暴力の根絶と人権の尊重」について、お伺いしたい。
先ほどの説明のグラフにあったように、配偶者からの暴力に関する相談件数は増えている。相談窓口に実際に相談してくる人は、氷山の一角に過ぎないのではないかと推測している。困った人が誰でも相談できるには、相談窓口を県民にもっと知っていただくことが最優先と思う。そういう広報について、これからどのように進めていくのか伺いたい。
配偶者からの暴力の相談窓口については、県のたより、県のホームページはもちろん掲載させていただいているが、これまで考えられる広報媒体を活用して、例えば県の媒体としては、名刺大の携帯用相談窓口情報カードや多言語相談窓口カードを6カ国語で作っており、さらに外国籍県民向け広報紙「こんにちは神奈川」への掲載なども行っている。民間の媒体としては、新聞やJR携帯用時刻表への広告など、このような様々なかたちで、県民の皆様への周知に努めてきた。
また、このような媒体を、県、市町村、警察等の公共相談窓口の他に、被害者が通いそうな医療機関にご協力をお願いし、できるだけ多くの方の目に触れやすいような所に配架していただいている。
委員からお話があったとおり、まだまだ被害者は潜在化していると思っている。昨年の県民ニーズ調査の結果を見ると、被害者の相談窓口があることを知っている方が65.5%であるが、一般の方が被害者を発見した時に通報するよう努めなければならないことを知っていた方が26%というような状況であった。さらに広報に力を入れていかなければならないと考えている。
そこで、今後は、新たに皆さんの生活の場でよく立ち寄る場所、例えば、銀行とか、外国籍の方々がよく集まる教会への情報提供など、必要な方の目に触れるような広報を工夫してまいりたいと考えている。
いろいろと工夫しているようだが、例えば先ほど言われた名刺大のカードをコンビニのレジに置いてもらうとか、強化月間を設けたり、消費者により近い企業、たとえばスーパーとか企業と力を合わせてやっていかれることがより大切で、より良いのではないか思うので、検討していただくよう要望させていただく。
次に、『被害者からの相談や、保護、自立支援を強化していく』とのご説明があったが、その内の一時保護について、神奈川県の状況について伺いたい。
神奈川県はNPOが先進的にDV被害者に対する支援を行っており、逆にいうとNPOなしでは支援策は進まないと思う。県の施設でもDV被害者の一時保護を行っていると伺っているが、その区別、民間の施設を利用する人と、県の施設を利用する人をどのように分けて考えているのか教えていただきたい。
まず、県の施設と民間施設の性格について申し上げる。県の施設は、法律に基づく施設なので、専門職員が配置されていて、福祉分野の専門職員をはじめ、看護師、保育士、心理判定員、医師、栄養士などのスタッフが揃っている。一方、民間施設は、NPO法人等が設置しており、ボランティアの方々によるケアが中心となっている。
従って、利用する方の身体的・精神的な状況、同伴児の状況、施設の所在地が加害者や関係者が追及しやすい地域ではないということなど、いろいろな側面を総合的に検討して、ケアをより手厚く行う必要がある方には県の施設に入所していただいている。なお、民間の施設に対しても、県の女性相談所から、心理判定員を派遣し、十分なケアの体制が図られるよう留意している。
一時保護をした人が、心の安定をとりもどして、一人で生きていく自信を付けて施設を出ていただき、自立した生活を送っていただくことが本当に大切だと思う。県としてアフターフォローとしてどのように支援を行っているのかお伺いしたい。
被害者の一時保護の期間は原則2週間であるが、その間に心理的ケアなど被害者の精神的安定を図るなかで、次のステップにつなぐための見極めをして、その方の状況に応じて、大きく2つの方向で支援を行っている。
まず、一つ目は、精神的に自立している方は、アパート設定など地域で生活をしていくための支援を行っている。その間に経済的な自立が難しい方については、生活保護や児童扶養手当等資金面の支援を行っている。また、アパート契約時に、その他、学齢期の同伴児の転校手続き等就学面の支援とか、ハローワークへの同行等就労面の支援といった様々な支援を、一時保護所のスタッフが市町村、福祉事務所、関係機関と協力して行っている。さらに、その後の生活については、市町村、福祉事務所などが連携して、相談や支援を行っている他、県の配偶者暴力相談支援センターの自立サポート相談窓口、これは、平成18年度に新しく設けさせていただいているが、こちらでも様々な相談に応じている。
二つ目は、すぐに自立が難しい方も多くいらっしゃる。こういう方には、女性保護施設や母子生活支援施設等の中間施設に入所していただき、自立できるまでの間のケアが十分に行われることになっている。
神奈川県では、今年度から新たに県の施設を使ったステップハウスを設けることとしているので、その取組み状況について伺いたい。また、ステップハウスに入居すると一人当たり、どのくらいの予算を組んでいるのか合わせて伺いたい。
ステップハウスは、県の施設を使った施設で、街なかにあり、単身あるいは家族のみで生活していただき、この間のケアは、民間団体に委託して、定期的な訪問による相談や自立支援のための情報提供、助言等を行うこととしている。利用者の使用期間は3ヶ月以内で、最高1年間まで延長が可能としており、現在3戸である。
この施設は、職員が常駐せず、訪問支援のみというケアの状況から、ほぼ自立、あるいは社会的に自立できる直前の方を対象として、加害者追及の恐れがない方を対象として考えている。
しかし、実際に事業を開始してみると、一時保護中は自立可能と判断された方が、ステップハウスに移っていただいたとたんに不安定な状態となり、市町村の制度を利用する手続き等にも手厚い支援が必要になるなど、事前に想定していなかった事態も実は発生している。今後、入所判断の際には、慎重に判断を行うこととしている。
一人当たりの予算組みというご質問について、今年度の入居者に係る訪問支援の予算は、2,548千円である。仮に、1戸に3ヶ月間ずつ、1年間で4世帯が入居することとすると、3戸で計12世帯が入居することになるので、単純に計算して、1世帯あたり約21万円ということになる。
いろいろと試行錯誤され、大変だと思うが、より被害者の立場に立って取組みを工夫し、改善していっていただくよう要望する。
次に、DVの被害者も含め、就労を望む全ての女性が就職したり、起業するなど、収入を得て自立した生活を送っていくことが大切だと考えている。
そこで今回、重点目標の1番目に「様々なチャレンジ支援」を掲げ、女性の再就職や起業を支援していくとのことなので、具体的にタイムスケジュールがあれば、教えていただきたい。また、この支援の成果をどのような形で自己評価していくのかお伺いしたい。
様々なチャレンジ支援に関しては、先程、人権・団体広聴担当部長からご報告させていただいたとおり、チャレンジを細かく「上」「横」「再」の3つに区分して、それぞれの課題について審議会で議論していただきながら、施策の基本方向をお示ししている。
今お話があった「再チャレンジ」については、DV被害者のように、改めて自らの力で生活をしていく方々も多くいらっしゃるので、特に力を入れて取り組んでまいりたいと考えている。
現在、再就職について、関係機関等と連携して、企業が求める人材を養成するためのプログラムの開発をしているところである。これは、今年度作成することになっており、このプログラムを活用して再就職セミナーの開催や起業する女性のネットワーク化などに取り組んでまいりたいと考えている。タイムスケジュールについては、来年度以降具体的にセミナー等をやっていきたいと考えている。
また、チャレンジの成果の評価の方法であるが、実際にどれだけの方が就労に結びついているのか、アフターフォローをさせていただきながら、事業の成果を計ってまいりたいと考えている。
男性も女性も厳しい社会のなかで、また就職、生活も本当に厳しい状況にあり、県として市町村とともに知恵を出し合い、女性のみならず男性も希望や夢の持てる、心身豊かな生活のできる社会づくりを是非とも神奈川県はめざしていただきたいと、そう思っている。
県民企業常任委員会(平成19年10月2日)
(民主党・かながわクラブ 山口委員)

先の本会議での代表質問において、我が党のもとむら議員が、「県民パートナーシップ条例」について質問された。
知事からは、「NPOなどの民間の公益的活動の促進や県とNPOとの協働の推進に加えまして、NPOと企業などの民間同士の協働、行政・NPO・企業の三者の協働など、多様な協働を進めることを目指す条例としてまいりたい。」との答弁があった。そこで、代表質問に関連して、NPOと県との協働を中心に、何点か伺いたい。
まず、県民パートナーシップ条例については、神奈川力構想の戦略プロジェクト25「多様な主体が公共を担う協働型社会の実現」に位置づけがなされている。このプロジェクト25には、数値目標としてNPO等と県との協働・連携事業数が掲げられており、現状として2006年度は279件であることが示されている。まず、この279件は、すべて協働事業と理解してよいのか。また、その中には企業内NPOは含まれているか。
この279件は、NPO等とかかわりのある取組みについて庁内調査を実施し、集計したものであり、協働事業以外の取組みも含まれている。具体的には、かながわボランタリー活動推進基金21に代表される協働の取組みが93件、NPO等と連携してイベントや相談事業などを実施する協調・連携の取組みが147件、かながわ県民活動サポートセンターによる活動の場や情報の提供など、NPO支援の取組みが39件となっている。
また、企業内NPOについてのお尋ねであるが、企業内NPOとは、企業内部で、例えば、従業員が社会貢献の活動のためのグループを作っているとか、企業自体がそういったNPOを作っているといったケースかと思うが、この279件を調査する中で、そういった事例は把握していない。
NPOとのかかわりが様々だということは分かったが、NPO施策に関して、本県は先進的に取り組んできたと認識している。また、県認証のNPO法人の数も2,000団体に達したとのことであり、民間の公益的活動が発展してきていると感じる。
しかしながら、NPOの中にも、運営面で多くの課題を抱えている団体も多いのではないかと思うが、県としてどのように認識しているのか。
かながわ県民活動サポートセンターにおいて、平成16年度に同センターの利用団体を対象に実態調査を行っている。その結果を見ると、会員が固定化し高齢化している、会費収入が伸びないなどで活動資金が苦しい、あるいは、事務所の場所がない、事務局のマネジメントを担うスタッフが少ないとの課題をあげる団体が多く見られる。
このように、運営面で様々な課題を抱えている状況があるものと考えるが、この秋には、県認証のNPO法人2000団体を対象にアンケート調査を実施し、更に、実態を把握してまいりたい。
そうした中、平成13年度に設置された「かながわボランタリー活動推進基金21」は、NPOの資金的なニーズに応えるとともに、県とNPOとの協働の代表的な仕組みであると認識している。基金21の制度がスタートして7年目に入っているが、この仕組みによる協働事業の継続は5年が限度とされている。
そこで、時限により既に終了した基金21の協働事業は何件あるのか。また、それらの事業は、その後どのような展開になったのか伺いたい。
基金21を時限で終了した事業については、平成17年度末に5年で終了した事業が4件、平成18年度に終了した事業が1件、計5件が終了している。 このうち、平成17年度末に終了した「女性のための緊急一時保護施設と外国籍市民に対する相談事業」、それから「引きこもり青少年支援の協働ネットワーク事業」の県民部の2件については、協働事業の成果を踏まえ、県として取り組む役割を精査して、新たに県で施策化して、18年度から実施されている。その他の事業は、NPO自身が自立して取り組んでいる。
その終了事業は、引き継がれたり、他の部署で形を変えて、実施されていたりすることはあるか。
ただいま申し上げた終了事業のうち2事業は、県の関係セクションに事業が引き継がれて取り組まれている。その他の事業は、県との連絡調整の関係は保ちつつも、NPOが自立して、それぞれのやり方で取り組んでいる。
終了したとはいえ、NPOの独自の取組み方に価値を見出す場合、県の事業に移行したり、新たな形で運営したりするのは、ケースバイケースだと思う。そのNPOの活動を円滑に自立させてあげるためには、県としてどのような支援が必要だと思うか。
ボランタリー活動推進基金21の例で申し上げる。最初から5年という時限が公表されているので、それを前提に応募していただくこととなっている。基金21事業の協働事業への応募の段階で、時限終了後の考え方も申請書に記載していただくようにしている。実施中の協働事業については、5年が目の前に迫ってからではなく、早い段階から事業所管課とNPOの双方で時限終了後の取扱いについて協議をしていただくように促している。
また、自立化に当たっては、そのNPOの取組みを広く県民の皆さんに知っていただくことも支援者を増やしていくという意味で重要であるので、昨年度から、時限により終了した協働事業について、成果報告会を実施している。この成果報告会は、協働事業に取り組んでいる最中の団体にとっても終了後の活動のヒントを得られる機会にもなるのではないかと考えている。さらに、成果報告会とは別に、終了した団体同士が交流したり、現在、協働事業を行っている団体同士が情報交換できる場を作ることも検討してまいりたいと考えている。このほか、協働事業を行う県の所管課同士の様々な情報交換も大変有意義であることから、今年度には担当者の情報交換や意見交換のための場を作りたいと考えている。
また、協働事業が時限により終了し、自立化した場合でも、県との連絡調整などで協調することにより、NPOの円滑な自立化にもつながるものと考える。このようないろいろな取組みを通じて、自立化を支援してまいりたい。
主に、NPOと県との協働について聞いてきたが、今後、企業も含めて、よりNPOを発展させていただきたい。
県民企業常任委員会(平成19年10月2日)
(民主党・かながわクラブ 山口委員)

今年度の県民企業常任委員会の調査で、兵庫県立芸術文化センターを視察した。ホール内の機器や立地条件など、大変立派な施設であると感じた。ただ、私は少し角度を変えて、子を持つ母親として、きめ細かいサービスを提供するという視点で見てきた。いくつか気が付いた点があったので、本県で計画している新ホールでは、どのように考えているのか確認しておきたい。
まず、乳幼児を子育てしている母親が新ホールに来て、文化芸術を通して、日常の生活から本当に少しだけ離れ公演を楽しめたら、子育てがどんなに楽しくなるかと考える。そこで、視察した芸術文化センターでは、当然、託児室があり、保育の専門家がお子様をお預かりするという取組みをしていたが、新ホールには託児室又は託児所を設ける予定か。
新ホールの託児室だが、子供さんをお持ちの方にも新ホールでの公演を楽しんでいただくために、託児サービスを実施するための託児室の設置を予定している。
実際の託児室の運営は、専門の業者に委託していくことになると考えているが、具体的な運営方法については、他のホールの状況などを参考にしながら、検討していきたいと考えている。
託児室があるとのことであったが、授乳期の赤ちゃんのいる母親だと、公演の休憩中に、託児室に行って赤ちゃんに授乳するケースも考えられる。兵庫県立芸術文化センターでは、託児室内に簡易なカーテンをかけて授乳できるようにしてあったが、それは本当に簡単なカーテンだけで、使い手の立場に立っているものではなかったと感じた。授乳というのは女性にとって、大変デリケートなことである。託児室内で子どもの顔を見ながら、安心して授乳し、また、身づくろいなどもできるような工夫が必要と思うが、新ホールではどのように考えているのか。
新ホールの公演を、授乳が必要な乳幼児をお持ちの方にも、楽しんでいただけるようにと考えている。先ほどのとおり、託児室を設ける予定なので、授乳が必要な方はそれを利用していただきたいと考えている。
そのため、先ほどのお話にあった仕切りの設け方や、身繕いのための備品、床面の工夫など、こういった点について、今後工夫の余地があると思うので、細部については、ご指摘の点を踏まえてつめていきたいと考えている。
より細かく配慮していただきたい。
また、兵庫県立芸術文化センターの管理をしている内部の方々が、どのような動線で動いているのかを見せていただいた。ここでは、施設を管理する事務室と楽団の事務室の階が異なっており、職員の移動の動線も大変複雑な印象を受けた。
新ホールでは、事務室が2階にあるということであるが、メインホールのエントランスが5階、スタジオが3階と8階にあるなど、上下方向に作られている。このように離れていて、職員がホール内を移動するときの動線はきちんと確保されているのか。特に、上演の時に観客がホール職員に問い合わせやクレームを言った場合に、敏速に対応できるのか。地震などの災害時の避難誘導を敏速に的確にできるのか。そういったことに支障がないのか伺いたい。
今お話にあったように、新ホールの職員が執務する事務室や、メインホール、スタジオなどが建物の上下に離れていて、職員の動線の確保という点でのお尋ねだが、どうしても動線の確保は上下間ということで難しい面もあるが、職員や公演関係者については、新ホール内を移動するために、専用のエレベーターと階段を利用した動線を確保している。上下の移動とはなるが、できる限り円滑に職員の移動ができるように考えている。
それから、上演の際に来客されている皆さんへの対応だが、実際に観客の方に接するのは、ホールの事務職員ではなく、チケットのもぎりをしたり、観客をご案内したりする案内係の方たち、一般的には委託でお願いすることになると思うが、こうした方たちが直接の対応をすることになる。こうした案内係の人たちの応対については、マニュアル等を作成してその内容を徹底し、観客からの問い合わせ、クレームに対する対応、また、そういった内容をホール職員に連絡する必要がある場合には確実に連絡するなど、対応に遺漏のないよう準備していきたいと考えている。
また、地震など災害時の対応についてもご指摘があった。避難経路や誘導方法などをまとめたマニュアルを作成し、案内係の方やホール職員に対して周知徹底することは当然だが、定期的に訓練を実施するなどして、非常時の対応を的確にできるようにしてまいりたいと考えている。
マニュアルをより細かく、また、県民の立場に立って、いろいろとサービスも含め、また避難時の誘導のマニュアルも含めて、これからだと思うので、より皆様の意見を取り入れていただき、今後進めていただきたいと思う。
県民企業常任委員会(平成19年10月2日)
(民主党・かながわクラブ 山口委員)

個人情報保護法が全面施行されてから3年目となり、いわゆる過剰反応も落ち着いてきたようにみられるが、まだまだ戸惑いが多いことと思われる。そこで、個人情報保護に関して、何点か伺いたい。法施行後、個人情報の保護を理由に、自治会名簿や学校の緊急連絡網が作れないなど、日常生活で過剰反応が起きていると思うが、最近の県内状況はどうか。
個人情報保護法は、平成15年5月に施行されたが、民間事業者の部分については、周知期間を確保するため、平成17年4月に施行され、全面施行となっている。全面施行の際には、事業者に規制が行われるということで、マスコミで採り上げられ、事業者と接する国民も関心を持ったことで、必要とされる個人情報の提供が、従来どおり行われない「過剰反応」という現象が生じ、県にも、県民・企業・団体の方々から多くの相談や苦情が寄せられた。
それに対し、国は、法の趣旨が行き届いていないとの認識を持ち、法の解釈や運用基準の明確化、各省庁のガイドラインの見直しを進め、併せて、具体的な事例を示し、それらにより、県への相談・苦情も、平成17年度の法の全面施行直後に比べ落ち着いてきた。
落ち着いてきたとのことだが、自治会名簿や学校の緊急連絡網が作成できないということに対しては、具体的な対応を考えているのか。
県では、過剰反応に対して、法の趣旨を理解していただくため、具体的な事例を盛り込んだパンフレットを作成し、その中で、自治会名簿や学校の緊急連絡網の作成方法を紹介している。そして、そのパンフレットが自治会や学校などへ、直接手元に届くことが大事だと考え、一般的な配布とは別に、市町村などの協力を得ながら、今年4月から5月にかけて配布した。部数は15,705部である。さらに今後は、自治会向け、学校向けのマニュアルを作成することを考えている。
私のところには、毎日多くの民間企業からのはがきやチラシが入ってくる。民間事業者が、個人情報をどのように取扱っているのかという不安が、過剰反応にもつながっていると思う。
たとえば、大手の住宅地図には、許可した覚えがないのに、私の家が載っている。自治会名簿や学校の緊急連絡網では、本人の同意が必要なのに、本人の同意なく大手住宅地図に名前が載っているのは、違法ではないか。
個人情報保護法は、5千人を超える個人情報を取り扱う事業者を、個人情報取扱事業者とし、規制の対象としている。住宅地図も地図の上に相当数の個々の姓が記載されているので、個人情報取扱事業者に該当するものと考えている。
法では、利用目的を特定し、それをホームページなどで公表する、収集の手段が適正である、などの条件を満たせば、個人情報を本人外から収集することが認められている。神奈川県個人情報保護条例の県機関への規制では、本人収集を原則としており、これに比べると規制が緩いという印象があるが、法の目的では、個人の権利利益の保護と並んで、個人情報の有用性に配慮するとしていることから、利用目的の公表を義務付けることにより、本人外収集が認められている。
ただし、法23条2項には、第三者(住宅地図の利用者)への提供の制限があり、住宅地図に載っている本人から、苗字の記載などについて削除の求めがあった場合は、それを削除することが事業者に課されている。ちなみに、ホームページに公表されている大手住宅地図事業者の個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を見ると、自社で作った住宅地図に掲載されている個人情報は、削除の申し出により削除すると明記されている。
明記されているとはいえ、それに触れることなく過ぎているのかと思う。本人が、言ったことが印刷されるのが、本来重要ではないかと考える。個人情報の保護は重要だと思うが、その有用性も十分考える必要がある。過剰反応もおかしいが、右から左に個人情報が流れるのもおかしいと考える。そのバランスをどう保つのか、私自身も個人情報保護制度を正しく理解したいと考えている。県もそれを促す努力をして欲しい。

![]()