01. 県議会報告

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定例会 一般質問(平成20年2月26日)民主党・かながわクラブ 山口ゆう子

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山口ゆう子

1.県の広報のネット化(メールマガジン創刊及び配信)について

質問の第1は、県の広報のネット化についてであります。

本県では、昨年策定された「神奈川力構想」や分野別の計画などに基づき、先進的で素晴らしい、多くの施策に取り組んでいるところでありますが、このような県の取り組みについて、県民は十分に理解し興味と関心をもっているのでしょうか。
県は広報などを通じて、一定の努力はしていると思いますが、現状の情報発信だけでは21世紀の県民の多様なライフスタイルに対応できないだけではなく、県民参加の社会づくりに、私は、決して十分ではないと思っております。
今のままでは、地域に密着した市町村の施策は、住民から見ても関心が高くなる一方、広域的な県の施策は関心が低くなることを加速させるだけではないでしょうか。このことは、基礎自治体である市町村と国との間に位置する都道府県としての宿命ともいえるものかもしれません。
  しかし、県がその施策を積極的に情報発信することによって、より多くの県民に県政を身近に捉えていただけるようになるのではないかと考えます。

今日では、各家庭へのパソコンの普及は目覚ましく、インターネットにより必要な情報を入手する人が増えてきています。特に本県は、2006年の総務省調査によると、都道府県別インターネット人口普及率が全国でもトップクラスであるとのデータもあります。
本県のこのような状況においては、インターネットを活用した情報発信、特に電子メールを活用した広報は、コスト面や迅速性の面からみても非常に効果的ではないでしょうか。
現在、電子メールを活用した広報として「神奈川県新着情報お知らせメールサービス」を実施していることは承知しております。その内容は、新着情報の表題と県ホームページへのリンク等で、残念ながら県政情報を網羅的に発信するものではなく、「メールマガジン」と呼ぶには少々見劣りがいたします。

また、配信数が1,000件以下であり、必ずしも十分とは言えなく、私も利用しようとしたところ、メールマガジンを配信している他の県と比べると、本県はホームページのトップページからの入り口が分かりにくく、限られた情報配信や利用しづらいのが現状です。こうしたことが、登録者数が伸びない大きな要因となっているのではないかと思われます。

一方、平成19年8月の島根県調査による、全国の都道府県のメールマガジンの発信状況を見ると、37の自治体がメールマガジンによる情報の提供を行っており、大半の自治体ではホームページのトップページに分かりやすく案内されています。また、見易さや親しみやすさに工夫を凝らしている自治体も見受けられ、県民へのサービス努力を感じました。

しかし、本県では産業や防犯など、対象が絞られた分野では、メールマガジンを発信して一定の形はなしているとはいえ、県民全般への情報提供という点では、まだまだ改善の余地を残しており、決して情報の受け取る側への配慮とサービスは十分であるとは言えません。

そのためにも、従来から行っている「県のたより」などの紙媒体による広報、テレビ・ラジオなどの視聴覚媒体による広報及び県ホームページによる広報に加え、情報の配信を希望する県民の方々に向けて、新たに「県政情報のメールマガジン」を創刊し、「情報先進県」を目指す神奈川県として、県政に関するさらなる積極的な情報提供を行い、情報発信力の強化を図る必要があると考えます。

具体的なメールマガジンの内容としては、例えば、県政のトピックスや、知事の定例会見の概要、「県のたより」の概要紹介、もっと進んで動画の配信などが考えられますが、これらを積極的に発信することにより、県民の方々が県政に興味を持っていただくきっかけになることは間違いありません。そして、このメールマガジンに企業や各種団体の広告を貼り付ければコスト面の対応もできるのではないでしようか。このことは、自治会への未加入や新聞未購読により「県のたより」が届かない世帯等に対する未配布対策の一つにもなりうるのではないかとも考えます。

そこで、知事にお伺いします。
新たに「県政情報のメールマガジン」を創刊・配信することを提言いたしますが、知事のご所見はいかがでしょうか。

知事答弁

山口議員のご質問に順次お答えいたします。

まず、県の広報のネット化についてのお尋ねがありました。
議員のお話にもありましたように、私も、県民の皆さんに、県の取組みについて、積極的に情報発信していくことは、対話行政を進めていく上で、大変重要であると認識しております。
近年、インターネットの爆発的な普及などを背景として、県民の皆さんが利用する情報メディアが急速に多様化する中で、より効果的に県政情報をお届けするためには、様々な媒体の特性を活かした情報発信を行うことが、ますます重要になってきております。

そこで、県では、ホームページによる情報提供に加えて、「かながわ京浜臨海部ニュース」や「アジェンダ通信」など個別テーマごとのメールマガジン、さらには、2日に一度配信する「新着情報お知らせメールサービス」など、インターネットを活用した広報の充実に努めてまいりました。

しかし、「新着情報お知らせメールサービス」は、ご指摘のように、更新された情報などをお知らせする仕組みにはなっておらず、県ホームページからの入口も分かりづらいものとなっておりましたので、これらの点につきましては、現在、システム改善に取り組んでいるところであります。

さらに、ご提言いただきました「県政情報のメールマガジン」につきましては、「県のたより」が届かない世帯がある中で、希望する方に、より効果的に県政情報をお届けすることが可能で、受け取られた方には、都合の良い時にゆっくり内容を見ていただくことができるなど、情報発信力の強化という面でも大きな効果が期待できるものであります。

このため、メールマガジン配信に向けたシステム改善を行うとともに、現行のメールサービスとの役割を整理しながら、県政情報の総合的なメールマガジンとして、来年度中の創刊を目指してまいります。

山口ゆう子

2.男女共同参画社会をめざして

質問の第2は、先程、我が会派の作山議員、鈴木議員が雇用に関する質問をしたところですが、それに関連して、女性が働く事への支援について、お伺いたします。

この2月定例会に「かながわ男女共同参画推進プラン」の変更に関する議案が出されております。新たな男女共同参画推進プランでは、男性も女性も、ともに誰もが「生き生きと心豊かにくらす男女共同参画社会の実現」を基本目標としておりますが、こうした社会を実現していくためには、社会制度や雇用環境といった環境の整備に努力していくことも同時に大切であり、あわせて、女性自らが自立していく、ということ深く考え直していかなければならないと考えております。

女性が生涯に亘って自立して生活をしていくためには、働く意欲のある人が、能力を十分発揮できる職に就けるよう支援していくことが大切であります。
男女とも現在雇用環境は非常に厳しく、大学を出てもフリーターとなっている人もいますし、キャリアアップするために、職を辞して大学院等で学ぶ場合、生活を支える仕組みや制度はなく、大学院を出て修士や博士となっても就職できる保証はなにもないのです。また、私の知人は、海外でボランティア活動をして様々な経験を積んだものの、帰国後年齢的な制約から就職できないでいる現状があります。

こうした就職時の厳しさに加え、一旦就職しても、長時間労働と長時間通勤といった状況の中で、女性は子育てや介護などと仕事を両立することの難しいステージに直面し、仕事を止めざるをえない女性が多く、神奈川県においては特にそうした傾向が統計から顕著に現れております。
また、子育て等でやむをえず一旦退職した女性も、子どもが成長して子育ての負担が軽減するにつれ、再び働きたいと希望するものの、正社員になるのは非常に難しく、パートやアルバイトで働いている人が多いという現状があります。

私は、正社員がよくて、パートやアルバイトが悪い、という意味ではなく、自らの能力を発揮するために、パートやアルバイトの次のステップを目指して努力していくことが大切であり、こうした努力が女性の自立につながると確信しております。是非、子育て等をしながら正社員をめざす女性が一歩前に足を踏み出せるよう支援していただきたいと強く思っております。
企業は男女を問わず、即戦力を求めており、一旦職場を離れ、家庭でのブランクがある人が研修や訓練を受け、正社員として再就職し、活躍することは、本人だけではなく、受け入れ側の企業にとっても大変メリットがあると考えます。

そのためには、例えば、「パソコンを打てる」だけではなく、企業の理念を理解し、企業の業績アップに向けて、「パソコンを使って経営分析し、業績アップ対策を考える」ことができる人材を育成する、といった内容の研修等が必要ではないでしょうか。しかし、現実はなかなかこうした「女性のキャリアアップに結びつく研修等」を受ける機会がないのではないでしょうか。 はじめて就労する女性や長くブランクのある女性はどこに相談すればよいのかがわからず、また、正社員として働くことへの不安もあり、一人ひとりの状況が少しずつ違います。その状況に応じてきめ細かく支援していく必要があるのではないでしょうか。

さらに、核家族化が進んだ現代では、身近な配偶者等からの理解や援助が受けられない女性は、生活への積極的な支援がなければ、こうした、しっかりとした研修等を受けることすらできないのです。このような女性たちに、生活支援にも配慮して、研修等を受けてもらう必要があると思うのです。

また、女性が正社員として働くためには企業における環境整備も必要でありますが、直接個々の企業に働きかけ、具体的な女性の働き方を模索することや、インベスト神奈川において、企業の社会的責任の取組として「女性の雇用枠」も項目として加えることなど、様々な工夫とイノベート川崎のようにインベスト神奈川の助成との併用も可能にするなど各自治体との協働にも取り組んでいく必要があると思います。

このように、女性の自立した生活に向け、働く意欲のある女性が、正社員として企業に就職あるいは再就職し、能力を発揮できるよう、今まで以上に支援するとともに、そうした女性が企業において活躍するための環境を整備していくことは、男女共同参画社会の実現に向けて大変重要な取組みであります。また、こうした取組みを行うことは、社会や企業にとって「未来へ投資すること」であると考えます。投資なくして現状を打破することは非常に難しいのではないでしょうか。

そこで、知事にお伺いします。
働いていなかった女性や一旦退職した女性が正社員として就職あるいは再就職を希望し、能力を十分発揮することについて、今後どのように女性を支援し、また、企業に対して働きかけていこうとしていらっしゃるのか、知事の所見をお伺いします

知事答弁

次に、女性が働く事への支援についてのお尋ねをいただきました。
議員のお話のとおり、働く場において、女性が自らの意欲に応じて、持てる能力を十分発揮していくことは、男女共同参画社会の実現をめざす上で、大変重要なことだと認識しています。

そこで、今回変更案を提案し、ご審議をお願いしております「かながわ男女共同参画推進プラン」では、女性一人ひとりに着目して、「様々なチャレンジ」を支援していくこととしており、その中でお尋ねの再就職等の支援の充実にも取り組んでまいります。

 

具体的には、かながわ女性センターに新たに「女性キャリア支援センター」を設置し、NPOと協働して、相談や適職診断から、研修や職業訓練の情報提供、ハローワークや保育サービス等の紹介まで、一人ひとりにきめ細かく、一貫した支援を行います。

また、企業のニーズに応じた研修として、今年度、子育て等で一旦仕事を中断した女性が、キャリアを生かしながら、正社員をめざして再就職に踏み出すことを応援するプログラムを新たに開発しましたので、今後このプログラムを活用して人材育成に取り組みます。

さらに、資金面では、職業技術校等で実施する公共職業訓練を受ける際、一定の条件を満たす方には、職業訓練手当が支給されていますが、平成20年度から県では、労働者の生活支援を目的とした貸付けの対象として、出産・育児で退職した女性の再就職のための能力開発費用を新たに加え、支援をしてまいります。

次に、女性がこうした様々なチャレンジをしていくためには、企業等と連携・協力して、仕事と家庭生活・地域活動との調和や女性が能力を発揮できる環境を整備することが重要であります。
こうした事項について、神奈川県男女共同参画推進条例で企業に届出を義務づけ、就業環境の整備を働きかけてまいりましたが、今後は事業所への直接訪問も行いながら、女性人材の定着・育成策について、先進的な取組みを他の事業所に広めるなど、一層の普及啓発に努めてまいります。

また、現在、子育て支援に取り組む企業を認証し、融資等の優遇をしておりますが、さらに、女性人材の活用を積極的に進めている企業に対する優遇措置についても検討をいたします。
今後、新たなプランに基づき、市町村や企業、NPOなどと一層連携・協働して、全庁をあげて男女共同参画を進めることにより、活力ある神奈川を築いてまいります。

山口ゆう子

3.がんに強い体質づくりについて(マンモグラフィの導入の余波)

質問の第3は、がんに強い体質づくりについてであります。
先日、我が会派の手塚悌次郎議員が検診体制の整備や受診率の向上などについて、質問しましたが、私からはマンモグラフィの稼働率などについて質問をしたいと思います。
国では、「がん対策推進基本計画」に基づき、75歳未満のがん死亡率を「今後10年間で20%減少」と「すべてのがん患者・家族の苦痛の軽減、療養生活の質の維持向上」を全体目標に掲げております。また、早期発見で死亡率を下げるため、がん検診の受診率の目標を「5年以内に50%以上」に設定しています。がん検診は市区町村が実施していますが、新聞報道によるとこの受診率の目標について、達成可能と考えている自治体が、道府県庁所在地の46市と東京23区にはないことが明らかになりました。予算や設備の不足、関心の低さを訴える自治体が多く、がん死亡率を10年間で2割減らすという国の計画のもとになる検診体制のもろさが浮かび上がったのではないでしょうか。

現在日本では、約20人に1人の女性が乳がんになるといわれ、女性のがんの中で罹患者数が一番多くなっています。私の周りにも、乳がんを経験している人が多く、私自身も罹る可能性がある病気、他人事では済まされない病気です。

しかし、早期に発見し治療すれば、完治する可能性が高いのも乳がんの特徴です。日本では、40歳以上が対象で、2年に1回の乳がん検診が推奨されており、検診は、視触診とマンモグラフィの併用で実施されています。日本は2000年に、私の住む横浜市都筑区では2005年からマンモグラフィが導入されました。横浜市都筑区では、導入前は視触診のみでしたが、40歳以上という条件付で、毎年、市の補助をうけ検診することができました。しかし導入後は隔年になり、視触診とマンモグラフィの併用ではなく、医師の判断で視触診をするか否かというところに留まっております。

しかし、毎年視触診とマンモグラフィの併用している自治体も存在します。秦野市、南足柄市、寒川町、大磯町、二宮町があげられます。また毎年ではありませんが視触診をマンモグラフィの検査しない年に実施していたり、視触診の年齢も40歳にこだわらない自治体もあります。各自治体でバラバラであるのが実態です。

次に考えなくてはならないことは、どんなルールのもとにまたどんなすばらしい高価なマンモグラフィが導入されても検診者の数が増えなければ早期発見にはつながりません。全国の受診率は17.6%であり、神奈川県は12.3%です。受診率を国でいう50%にする目標をどう神奈川県は見出していくのでしょうか。関係者の方々は広報不足とおっしゃるかもしれませんが、私の考えでは、広報の前に調査不足ではないかと強く感じております。

そこで、マンモグラフィの稼動率を自分自身でしらべてみました。
まず、横浜市の地域中核病院のマンモグラフィの一日あたりの稼動件数を18年度で見ると済生会横浜市南部病院は9.3件そのうち検診は3.5件、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院は6.4件で検診は2.2件、労働者健康福祉機構横浜労災病院は4.1件で検診は1.6件、昭和大学横浜市北部病院は3.7件で検診は未受託です。19年度もほぼ同様の結果となっています。

また、横浜市立病院では、市民病院が19.6件で検診は9.4件、みなと赤十字病院は診療分のみで4.9件です。
このことから、一日あたりのマンモグラフィの稼働率の高いところが検診率が高いということです。しかし高いといっても、全体的に低い状態です。

それでは、県立病院では、どのようになっているのでしょうか。マンモグラフィが導入されている病院は、足柄上病院、汐見台病院、がんセンターの3病院であり、18年度の稼働件数は、足柄上病院が3.4件で検診は0.3件、汐見台病院は3.1件で検診は0.6件、がんセンターは検診機関ではありませんので、診療のみですが、13.0件となっています。19年度も同様の件数で、検診についてはかなり低い稼動です。

マンモグラフィの受診率がよく問題になりますが、稼働率が上がらなければ受診率も上がらないのです。受診率と稼働率は表裏一体ではないでしようか。受診率の向上に対しては、各自治体で創意工夫されているとは思いますが、県としてこの実態をいかに把握し、その中から方策を見出さなければ、「がんにならない、がんに負けない神奈川づくり」に向け一歩踏み込んだ策を講じることはできないのではないでしょうか。

また、マンモグラフィ導入前の視触診だけの時と導入後の検診率との差異を見出すことは今回できませんでしたが、マンモグラフィ導入前と導入後の乳がんに対する県民意識の変化を数字で見出せる体制づくりに力をそそぐことも必要ではないでしようか。先日の新聞によると、ある地方銀行の女性向けの住宅ローンの付帯サービスに乳がんの検診の優待特典をつけると発表されておりました。このような形で乳がんの検診とは驚きましたが、県民のニーズがあるのだと確信もしました。県民のニーズに応えるためにも、1台約3千万円という高価な医療機器の効果的・効率的な活用をしていかなくてはならないと考えます。

そこで、知事に伺います。
乳がん検診の受診率の向上のために、いま何をすべきなのかを今一度振り返り、総点検のうえで優先順位を付け、効果的な資源配分を行い、目に見える形で県民に、『受診率を向上したなぁ』 と受け止めてもらえるような取組みを求めたいと考えますが、いかがでしょうか。
また、市町村での乳がん検診の実施状況は、各自治体でまちまちであり、人口比の差、財源の差がこのような状態を生み出しているのではないかと推測されます。このことは医療の格差とも言えるのではないでしょうか。このような乳がん検診の実施状況について、知事はどのようにお考えなのか、併せて伺います。

知事答弁

次に、乳がん検診に関して、受診率の向上に向けた取組みと市町村の検診の実施状況についてのお尋ねをいただきました。
乳がん検診を含めがん検診は、住民に身近な市町村が実施主体であり、県としては、広域自治体として、基盤づくりや市町村での実施の促進、さらには質の向上などを図る役割を担っております。
お話の乳がん検診の受診率向上のためには、検診により早期発見、早期治療が可能となるという、受診の有効性や必要性を情報提供するため、これまで、リーフレットや県のたよりなどにより普及啓発をしてまいりました。

 

また、マンモグラフィが市町村検診に導入されたことに伴い、県では、平成17、18年度にあわせて約4億円の助成を行って、その整備に取り組むことなどにより、市町村の検診対象者の約50パーセントが受診可能な環境を整備し、あわせて、マンモグラフィ検診を担う医師や放射線技師について人材育成を図ってまいりました。

       

今後は、市町村検診によるがん発見率など、検診の効果を示す指標を、より具体的に県民の皆さんにお知らせし、一層の意識啓発を図り、受診率の向上に向け、取り組んでまいります。 

            

次に、市町村の乳がん検診の実施状況についてでありますが、がん検診は、その有効性が科学的に検証された手法を国が指針として定め、これを踏まえて、市町村が自主的に実施するものであります。 県といたしましては、広域的な観点から、指針に基づいた検診を県内市町村に確実に実施していただけるよう、マンモグラフィの導入時から、その実施を働きかけ、現在、全ての市町村で行われているところであります。

 

市町村によっては、お話のとおり指針に定められた方法に加えて、受診対象年齢の引下げを行うなど、検診方法に違いがありますが、これは実施主体である各市町村における自主的な取組みの結果であると受け止めています。

一方、現在、指針に位置づけられたマンモグラフィによる検診の受診率が低いことから、これをさらに向上させることが課題であります。
このため、今後、受診率など、全市町村の検診の実施状況や、受診率が高い市町村の受診勧奨方法などを、きめ細かく市町村に情報提供し、マンモグラフィによる乳がん検診について取組みをさらに促進してまいります。

山口ゆう子

4.食の安全について

質問の第4は、食の安全についてであります。
私は家族の健康を一番に考え、その基礎をなす台所を預かる主婦として日々の食育は最大の関心事でございます。安心安全な生活は食の安全からスタートするといっても過言ではないと考えております。
しかしながら、昨年は食の安全を根底から覆すような偽装が相次ぎ、安心で安全な食品の基準は何であるか、消費者自身に問いかけられた一年でもありました。最近では、中国産の冷凍餃子の毒物の混入事件が発生し、食の安全について益々早急にまた敏感に対処しなくてはならない状況にあると再認識いたしました。このような状況を生み出さないためにも、食品の安全に関しての考え方や法律の枠組みをダイナミックに変更していかなくては、抜本的にしかも包括的な解決に結びついていかないと県議会議員として堅く信念を持っております。
そこで、日本では野放し状態にある「トランス脂肪酸」とあいまいな「食品添加物の表記の問題」についてお伺いいたします。

(1)トランス脂肪酸について

はじめに、トランス脂肪酸についてであります。
トランス脂肪酸とは、マーガリンなどを製造する際、液状の不飽和脂肪酸を固形化するために水素を添加することによって飽和脂肪酸に変化させる過程において発生する物質です。この物質は水素を添加したものは、トランス型という構造になり、トランス型の油は体内で代謝されにくいという特徴をもっています。
トランス脂肪酸に対するアメリカの対応は、トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させることから、心臓病のリスクが高まるとしているということを受けて、FDA食品医薬品局は2006年1月から加工食品の栄養成分表示においてトランス脂肪酸含有量の表示を義務化しています。ニューヨーク市は、今年の7月以降、市内2万あまりの全ての飲食店でトランス脂肪酸を制限する規定を制定しております。

一方、日本の対応でありますが、内閣府の食品安全委員会や厚生労働省では、日本人1日当たりのトランス脂肪酸の平均摂取量の推計値が、世界保健機関及び国連食糧農業機関が平成15年度に公表した報告書において目標値とされる摂取量を下回っていることから、「脂肪全体量のとりすぎに注意し、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとることが大切である」との警告のみで何の対応を打っていないのが現状です。

また、衆議院における質問主意書ではありますが、平成19年11月に民主党 山井議員がこの問題を取り上げ、これに対する政府の回答は、「日本人の摂取量は一日の総エネルギーの1%未満という専門家会合報告書の目標値を満たしているのでトランス脂肪酸の含有量表示の義務化及び使用制限の必要性はない。」となっております。

では、他の都道府県は、いかなる危機感をもって対応しているのでしょうか。平成19年3月の定例会では愛知県春日井市の市議会、そして同年6月の定例会では埼玉県議会などの一般質問などでトランス脂肪酸の健康への影響を質問しております。

また、東京都では、平成15年度に設置された食品安全情報評価委員会において、平成19年3月と7月に開催された会合で、トランス脂肪酸の問題が議題にあがっており、都のホームページにて公開されています。
神奈川県ではどうでしょうか。県のホームページを見ますと、内閣府の食品安全委員会が行ったトランス脂肪酸含有率の調査結果や、今後の食品安全委員会の対応などがアップされているだけとなっています。確かにそうせざるをえない仕組みであることは理解しております。

しかし、摂取量が少ないから安心は、あまりにも安直過ぎるのではないでしょうか。今日摂取したトランス脂肪酸は明日目が覚めたら体内から消えていくものではありません。少しずつでもたまっていき、健康被害を及ぼすのです。だからこそ、WHOにて目標値を定めているのです。この現状をどう捉えていくのかが重要なのです。
すぐにでも、学校給食、公共施設及び県立病院などでトランス脂肪酸をどのくらい使用しているのか調査し、健康被害から県民を守っていくことが、今課せられた責務ではないでしょうか。

そこで、知事にお伺いします。
このトランス脂肪酸について、県として県民に対する更なる情報提供や規制を含めた今後の対策についてどのようにお考えなのか、知事の所見をお伺いします。

また、特に東京都、埼玉県、千葉県の学校給食においては、「生徒の健康に危害を及ぼす疑いのある食材は、排除する」という方針などにより、平成19年度からマーガリンを低トランス脂肪酸のものに規格変更していますので、本県も同様に対応すべきであると考えますが、今後の対策について教育長のお考えも併せて伺いたいと思います。

教育長答弁要旨

教育関係について、お答えいたします。
学校給食におけるトランス脂肪酸の使用について、お尋ねがございました。
トランス脂肪酸は、学校給食においては、主にパンを製造する際に使用しているマーガリンなどに含まれておりますが、現在、学校給食の主食は、米飯の回数が増え、パンの回数が減っておりますので、摂取量は減少するものと思われます。

しかしながら、議員のお話のとおり、学校給食において、子どもたちに安全で安心な食材を提供することは、大変重要であると認識しております。県教育委員会といたしましては、今後とも、国の動向を注視するとともに、県の関係機関との連携を図りながら、トランス脂肪酸についての情報収集に努めてまいります。

また、学校給食で使用するマーガリンを低トランス脂肪酸のものに変更した東京都や埼玉県などの学校給食会の取組みを参考にしながら、他県の対応等について情報収集を行い、県立学校や学校給食の実施主体である市町村教育委員会等に対して、適切に情報提供を行ってまいります。
以上でございます。

山口ゆう子

給食において、マーガリンを低トランス脂肪酸のものに変えていただくという回答はいただけませんでしたが、情報収集に留まらず、是非ともそれを早期に実現していただきたいと、切望させていただきます。

知事答弁

次に、食の安全についてであります。まず、トランス脂肪酸について、県として今後の対応をどう考えるのか、とのお尋ねをいただきました。

トランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニング等の加工油脂や、それらを使ったパン、焼き菓子などの食品、また、植物油や乳製品、さらには牛、羊などの反すう動物の肉などに含まれております。

その作用としては、いわゆる「悪玉」といわれる「LDLコレステロール」を増加させる一方、「善玉」といわれる「HDLコレステロール」を減少させ、また、過剰に摂取した場合には、動脈硬化などによる心疾患のリスクを高めると言われています。

このため、国におきましては、現在、内閣府の食品安全委員会や、農林水産省がホームページ等を通じて、トランス脂肪酸の健康への影響などについて周知を図るとともに、脂肪の摂りすぎに関する注意喚起を行っているところです。

本県におきましては、これまでも、県民の健康づくり運動の指針である「かながわ健康プラン21」の中で、脂肪の摂取量の削減を目標に掲げ、バランスのとれた食事の必要性などについて、関係機関や団体と連携し、普及啓発を行ってまいりました。

また、平成18年12月に実施した「食の安全・安心モニターアンケート」に寄せられたご意見をもとに、平成19年1月から、県のホームページ上で、トランス脂肪酸に関する情報提供を行っているところであります。

県としては、体内におけるトランス脂肪酸の代謝や生理作用について、科学的に未解明な部分もあることから、規制は難しい面がありますが、今後とも、国際機関、国等からの情報収集に努め、県民の皆様に適切な情報提供を行ってまいります。

また、現状では、日本人の一日あたりのトランス脂肪酸摂取量は、世界保健機関等が示した基準を下回っていると承知しておりますが、偏った食生活による過剰摂取の可能性も指摘されておりますことから、県では、引き続き、バランスのとれた食事の取り方などの普及啓発に努めてまいります。

山口ゆう子

(2)食品添加物と表記の問題について

次に「食品添加物と表記の問題」について伺います。

近年、食品加工技術の進歩により、多種多様な加工食品が広域に流通し、私たちの食生活はより豊かにそして利便性が高くなりました。
これらの加工食品の製造には、多くの場合食品添加物が使われており、近年加工食品を口にしない日はないといっても過言ではありません。食品添加物は、食品を長持ちさせる、味をよくする、コストをさげるなどの特徴があり、一定の品質のものを作り上げることができます。生活を豊かにし、利便性を「光」とするならば、いったい何が「影」になるのでしようか。それは、人体に及ぼす危険性です。

厚生労働省では、動物を使って様々な毒性テストを実施し、使用量や使用対象の食品を厳しく定めています。
しかし、動物と人間の消化能力は言わずと違うはずです。もちろん目安にはなりえても、その結果をもとにして「毒性が少ないからOK」という発想はいかがなものでしょうか。
また、AとBという二つ以上の添加物をとった場合、人体にどんな影響があるのでしょうか。いわゆる「複合摂取」の問題は、完全に盲点となっております。残念ながら、この「複合摂取」のデータはありません。現実単品で添加物をとることは、まずありえず、国で認可されている添加物の安全性は完全に確認されているとはとてもいえないのです。

それでは、食品添加物指定はどのような流れで行われていくのでしょうか。食品安全委員会において、毒性や発がん性の試験を評価し、その結果を厚生労働省の部会にかけ、規格・基準値の検討をし審議会にて答申をし、省令の改正をへて施行されます。添加物はいまや生活にかかせないものでありますが、その権限は地方いわゆる首長の入るすきまはどこにも見当たりません。

また、食品添加物の表示方法にも盲点があるのです。加工食品では、原則として、使用したすべての添加物名を、見やすい場所に記載する必要があり、JAS法では、一括表示の原材料欄に、原材料と食品添加物に区分し、重量の割合の多い順に使用した原材料を記載することになっています。

しかし、ここには一括名で表示、表示の免除という特例があります。
一括名での表示について、私のある日の食事を例に説明しますと、朝食はコンビニのサンドイッチで済ませました。裏のラベルをみると、乳化剤、イーストフード、調味料、PH調整剤など一括表示されています。実際にはそれぞれ2~3種類が使われているとするなら、実際には20種類の添加物を摂取していたことになります。昼は、スーパーで弁当とクリームパウダー付のコーヒーを買い、弁当もPH調整剤、香料などなど一括表示されており、クリームパウダーも乳化剤、香料などとやはり一括表示されていました。夜は手作りとおもい、ご飯、味噌汁、焼き魚、かまぼこを用意しましたが、味噌はだし入りを使い、ねり製品を一品つけたため、一括表示の添加物が入っておりました。どう見積もっても私の一日の添加物の種類は、60種類に近いものをとった計算になります。
しかし、一括表示のため、実際目にするのはその三分の一程度にも満たないのです。

次に表示免除でありますが、キャリーオーバー、加工助剤、バラ売りおよび店内での製造・販売するものなどは表示しなくて良いことになっています。キャリーオーバーとはたとえば、焼肉のたれに入っているしょうゆの添加物は表示しなくていいということです。加工助剤は、加工食品をつくるときに使用された添加物のうち食品完成前に除去されたり、中和されたりしたものは加工助剤とみなされ、これもまた表示しなくてよいのです。ばら売りのものも表示が不要です。ベーカリーでトレイに乗せてばら売りされているものもなのです。
そして店内で製造・販売しているレストランや持ち帰り弁当もしかりです。 色々と怖いことを申し上げてまいりましたが、添加物を全否定するものではありません。

複雑かつ不透明な添加物の現実を、消費者は現状では知るすべがありません。どの食品にどんな添加物がどれくらい何のために入っているのか、またどういう経路をへて自分の口に入る食品がつくられているのかを知らせる義務があるということを申し上げたいのです。その情報を正確に伝えなければ、食の安全をとなえることは不可能であると信じております。
つまり情報公開が必要で、情報公開をぜひ推し進めるためにも、トランス脂肪酸のみならず、知事におかれましては、地方から国を変えていくご努力をぜひとも早急にお願いしたいと考えております。

また、情報公開されても添加物を排除した生活は皆無であります。これからこの添加物とどのように付き合っていかなくてはならないかという、一歩進んだ施策が必要であります。消費者も情報公開されても、情報を情報と捉えられなくては何の意味もありません。小・中学校の家庭科でしっかりと添加物を教え、それが将来の消費者を育てるのです。いきなり添加物の複合摂取は発ガン性があると言われて使用禁止になっても、体の中には蓄積されています。

そこで、知事にお伺いします。
食品添加物の情報を県ホームページに掲載するなど積極的に広報していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、県民の健康を守るという観点から、食品添加物の複合摂取の安全性の確認などについて国に働きかけることや食品添加物に関して消費者への普及啓発をしていくことが急務ではないでしょうか、併せて知事のお考えをお伺いします。

知事答弁

最後に、食品添加物の情報を積極的に広報することや、安全性の確認を国へ働きかけることなどについてのお尋ねをいただきました。

食品添加物は、食品の保存性を高める等の目的で使用されておりますが、その安全性については、厚生労働大臣の諮問機関である「薬事・食品衛生審議会」で、さまざまな試験検査を経て、安全性が確認されたものが指定されております。食品事業者がこれらの食品添加物を使用する場合は、原則として物質名を表示することが義務付けられており、県民が食品を選択するために活用できる情報となっております。 しかしながら、食品添加物の物質名には、聞き慣れない化学物質や天然物質の名称が多く、一部のものについては簡略化した名称の使用や、成分が類似したものについては一括した名称を表示できるなど、表示方法が複雑になっております。

こうしたことを踏まえ、本県では、県民向け食の情報誌「かながわの食品衛生」に、食品添加物の安全評価や使用基準、さらには表示方法などの基本的な知識をわかりやすく掲載し情報提供をしております。 また、こういった情報をホームページでもご覧いただけるようにしておりますが、今後も、食品添加物に関する新しい知見など県民の方に知っていただきたい情報をホームページ等で積極的に広報をしてまいります。

一方、食品添加物の安全性については、厚生労働省において、調査研究が進められており、これまで、「全国衛生部長会」などを通じて、食品添加物の安全性の確保について要望しておりますが、お話しのございました「複合(ふくごう)摂取(せっしゅ)」の問題についても、こうした機会を活用し、安全性の確認について国に働きかけてまいります。

また、食品添加物に関しての消費者への普及啓発につきましては、県民の方との食に関しての情報交換の場である「かながわ食の安全・安心シンポジウム」や「かながわ食の安全・安心基礎講座」で、食品添加物をテーマに取上げ、知識などの普及に努めております。

さらに、「食の安全・安心相談ダイヤル」において、県民からの個別相談に応じるなど、きめ細かく対応をしていきます。
こうした取組みを通じまして、今後とも、国の調査の最新情報などを、消費者にわかりやすくお伝えし、消費者が食品添加物に対する理解を深め、知識を習得していただくための取り組みに努めてまいります。

私からの答弁は、以上でございます。

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