在日米軍再編によるキャンプ座間の在日米陸軍司令部の改変に加え、本年9月の原子力空母ジョージ・ワシントンの入港など、大都市圏にある本県の基地負担が増加する一方、相模総合補給廠の一部返還や、2014年までの空母艦載機の厚木基地からの移駐などについては、実現までに多くの課題が山積している。そうした中、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法が昨年成立しているが、長年にわたり基地負担を担ってきている基地周辺住民にとっては、負担に見合う軽減策の実施が不可欠な状況にある。
加えて、本年3月には、横須賀において米軍人による殺人事件が起き、また、横須賀に配備予定のジョージ・ワシントンの火災事故や原子力潜水艦の冷却水漏れが発覚したが、米軍からは迅速かつ正確な情報提供がない中で、県民の不安を招く事件・事故が多発している。これらの再発防止に向けて、米軍人等に対する綱紀粛正・規律保持など実効性のある教育・研修や原子力艦船の安全航行体制の確保が強く求められている。
よって、県は引き続き基地の整理・縮小・返還を促進する姿勢を堅持しつつ、財政的支援策を含む地域振興策の充実や基地跡地の譲与など、できる限りの負担軽減策や米軍人等による事件・事故防止策が確実に実施されるよう、関係自治体と連携して国や米軍に対して強く働きかけを行うこと。
また、米軍施設の問題は市域を跨ぐ課題が多いことから、県は広域自治体としての責務である市町村間の連携・調整を十分に機能させるとともに、国との交渉に積極的に臨むこと。
さらに、環境法令の適用など環境問題への対応や、地元の意向が反映される仕組みを構築するなど、日米地位協定の適切な見直しが図られるよう、強く国に働きかけること。
県内には依然として多くの基地があり、地元の負担も大きいことから、今後とも、基地の整理、縮小及び返還の促進を基本としながら、基地関係市の過大な基地負担に見合った財政的支援策の充実や返還地の地元優遇策並びに事件・事故に係る教育訓練の徹底、厳正なる綱紀粛正及び事件の再発防止について、神奈川県基地関係県市連絡協議会を通じて、国に働きかけてまいります。
また、基地問題への取組みに際しては、県は、地元市の意向尊重を基本としておりますが、複数自治体間で調整する場合には、広域自治体としての役割を果たしてまいります。
さらに、日米地位協定の見直しについては、環境法令の適用など環境問題への対応や、地元意向が反映される仕組みの構築等について、渉外関係主要都道県知事連絡協議会等を通じて、粘り強く国に働きかけてまいります。
出会い喫茶への規制など、神奈川県青少年保護育成条例の強化・改正等、迅速な対応については評価する。さらに表面化するであろう、青少年を取り巻く社会病理には、今後も素早い対応を望む。
しかし、規制強化はあくまでも対症療法であり、規制ばかりでは青少年を闇の世界へと追い込みかねない。過去の規制対象である、テレホンクラブやブルセラ、有害図書等と同様、青少年問題の根源は、大人の道徳的問題であり、大人社会を映し出していることを認識し、大人の側に対する取り組みにも踏み込むよう要望する。
青少年問題の背景には、さまざまな要因が考えられる中で、身近な大人の行動が青少年に与える影響には、大きなものがあると認識しており、現在、さまざまな機会を通じて、県民に対し、自分の行動が青少年に大きな影響を与えていることを認識し、場合によっては、行動を振り返っていただくよう啓発を行っていますが、今後は、青少年をとりまく社会環境が大きく変化していることを踏まえ、どのような方法で行えば、より効果的な啓発ができるのか、研究してまいりたいと考えております。
地球温暖化対策は21世紀の人類が取り組まねばならない最重要課題となっている。2013年以降のポスト京都議定書の枠組みを目指した本年7月の洞爺湖サミットでは、温室効果ガス削減に向けた長期目標について「G8は2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%削減を達成する目標をすべての国連加盟国(気候変動枠組み条約締結国)と共有し採択することを求める」とした首脳宣言を採択した。
こうした中で本県でも「神奈川県地球温暖化対策地域推進計画(2006年6月改訂)」や、「クールネッサンス宣言(2008年1月)」に取り組んでいるところである。加えて、環境税やキャップアンドトレードなど全国レベルでの実効性ある対策の早期導入・実施や地域における温暖化対策として、住宅用太陽光発電の普及拡大や電気自動車の本格的普及に向けた条件整備が求められている。
神奈川県地球温暖化対策推進条例においては、実効性の高い条例となるよう具体的施策や数値目標を盛り込んだ計画を策定するよう要望する。県独自の施策については実施主体に対しインセンティブが働く制度を創設するなどし、推進体制の構築にあたっては地球温暖化対策推進県民会議(仮称)等を組織し、県民総ぐるみ運動となるように努めること。また国に対し、環境税や国内排出量取引制度(キャップアンドトレード)の導入などを求めること。
神奈川県地球温暖化対策推進条例(案)には、「地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するための計画」として、地球温暖化対策計画を策定することを規定しております。この計画の中には、具体的施策や数値目標も盛り込んでまいりたいと考えております。
また、地球温暖化対策に貢献する技術や活動について、業績の公表や表彰を行うことにより、功績を広く県民にPRするなど、事業者や県民の方々にインセンティブが働く制度を検討してまいりたいと考えております。 さらに、地球温暖化対策の推進に当たっては、これまでも県民、企業、NPOなどにより構成される「かながわ地球環境保全推進会議」において、各主体が協働してマイアジェンダ登録の推進などに取り組んでいるところですが、今後ともさまざまな主体と連携し、より効果的な展開を図ってまいります。
なお、環境税や国内排出量取引制度(キャップアンドトレード)の導入に関しましては、今後とも引き続き国へ要望してまいります。
昨年末から本年1月にかけて発生した、有機リン系農薬が混入した中国産冷凍餃子が原因と疑われる健康被害事例により、輸入食品の安全性に対する消費者の信頼が大きく損なわれた。また、JAS法に基づく食品表示の偽装事例が多発し消費者の食品表示への信頼も揺らいでいる。
食品の安全確保については、検疫・検査業務をはじめとする国の果たす役割が大きいところであるが、生産から販売に至るすべての段階での管理、指導、検査の充実強化をはかること。又、消費者から寄せられる多様な苦情に対して迅速かつ適切に対する体制を確立すること。情報提供・リスクコミュニケーションの促進についても取り組むこと。条例制定に向けての検討を専門家や関係機関を含む、多くの県民参加をはかりながらすすめられたい。
輸入食品の安全性については、平成21年度神奈川県食品衛生監視指導計画(案)の重点監視指導事業に位置付け、検査等の充実強化を図ってまいります。
また、食品の生産から消費に至る各段階において、食の安全・安心の確保に向けて継続的に実施していく県の取組みを示すため、複数年度にわたる「かながわ食の安全・安心基本指針(仮称)」を策定し、計画的に進めてまいります。 消費者からの食品に関する苦情に対しては、保健福祉事務所の窓口等で受け付け、関係機関や自治体と連携を図りながら、迅速かつ適切に対応してまいります。
食品の安全性に係る情報提供等については、「かながわ食の安全・安心基礎講座」を開催するなど情報提供に努めるとともに、消費者との意見交換を促進します。
「神奈川県食の安全・安心推進条例(仮称)」の制定に向けた検討に当たっては、学識経験者、事業者、消費者等で構成する条例検討委員会を設置し、意見をお聞きするとともに、パブリックコメントの実施、説明会の開催等県民の意見を反映してまいります。
非正規雇用は増大し正規の従業員でも過労死や自殺の増加、メンタルヘルス問題など就労状況は悪化している。年長フリーターの増加は社会保障の基礎を危うくし、少子化に一層拍車をかけることにもなる。雇用形態の多様化は、偽装請負や二重派遣、外資系企業やフランチャイズチェーン店の労働問題など課題の多様化・個別化にもつながっている。 ワークライフバランスの実現に向け、多様な働き方の推進や子育てとの両立支援、中小零細企業での心身の健康維持対策を強化すること。
パートタイム労働法改正の内容の周知をはかるとともに、高校・短大・大学でのキャリア教育を強化し、若者労働ガイド等の印刷物主体の施策にとどまらず現場や人物に直接触れる職業観の醸成手法の開発や、キャリアアップのための能力開発・職業訓練機会の充実に取り組み、福祉や環境など社会サービス分野に限らず新規業種での安定した雇用を創造する具体的な手立てを講じること。
雇用問題の個別化や多様化に対応するため、民間の専門家を入れて相談体制をワンストップ・フルタイム化するとともに、人材育成支援ネットワーク事業の中小企業への周知を推進し会員拡大をはかること。
高年齢者の生活安定と技術・技能継承等の観点から65歳までの雇用確保をさらに推進すること。外国人就労問題の解決に向けて受け入れ側の社会的責任の啓発を強化すること。
ワークライフバランスの実現に向けては、「ワーク・ライフ・バランス推進企業事例集」等を作成し、普及啓発に努めてまいります。また、現在企業での心身健康維持対策として、メンタルヘルス講演会や相談を実施しており、今後は、予防に重点を置き、職場の人間関係の改善に向けた支援を検討してまいります。
パートタイム労働法の改正については、ハンドブックの作成、セミナーの開催などにより周知を図ってまいります。
若者の就業に関しては、企業コラボ型の職業訓練を実施することにより、年長フリーター等の正規就業を支援しているところです。さらに、東部総合職業技術校では、中高生を対象とした「ものづくり体験プログラム」と、若者を対象とした「体験入校」を実施しております。
労働相談については、複雑高度化する相談ニーズに対応するため、職員のほかに、弁護士や社会保険労務士による専門相談を実施しております。今後も研修を強化するなど体制の充実に努めてまいります。
人材育成支援ネットワーク事業については、ホームページ等の広報媒体を工夫して、より一層の会員拡大を図ってまいります。65歳までの雇用確保に関しては、関係団体と連携し、セミナー等の開催を通じて企業の理解を得るための取組みを進めているところです。
外国人就労問題への対応としては、引き続き、外国人のための労働相談を実施するとともに、外国人を雇用している事業主を対象に、神奈川労働局と共催で「外国人雇用管理セミナー」を開催してまいります。
なお、県立高校におけるキャリア教育については、平成17年度に策定した「キャリア教育実践推進プラン」に基づき、平成20年度から全ての県立高校で、各校が作成する「キャリア教育実践プログラム」に基づくキャリア教育を展開しているところです。
国の内外で大地震が発生し、県民の防災意識が高まるなか、県立高校の耐震化は全国平均と比較しても遅れている。耐震診断結果が公表され、「大規模修繕が必要」とされた学校に通う生徒、保護者、近隣住民の心情を察すると、耐震化工事は待ったなしで実施しなければならない。県立高校の耐震化を早期に完了するために、まなびや計画での優先順位を見直すと共に、必要な財源を十分に確保すること。
県立高校の耐震化対策については、平成20年11月に設置した「県立学校耐震化対策検討委員会」における、優先度や施工方法などの検討内容を踏まえ、まなびや計画の見直しを行い、短期間に耐震性能を改善するための耐震スリット工事を実施するとともに、抜本的な対策としての大規模補強工事も計画的に実施するなど、大規模補強を必要とする県立高校44校95棟すべてについて、耐震化対策に着手してまいります。
なお、事業実施のための予算については、毎年度の予算編成の過程の中で、決定していくこととしております。
毎年、県内の国公私立高校では約4,500人の生徒が中途退学をしており、50人にひとりが中途退学している計算となる。中途退学した生徒が、その後、ニートやフリーター、非正規雇用等、社会的に不安定な道を歩む可能性は高く、中途退学対策は極めて重要な課題である。まずは中途退学者数の減少に取り組むこと。特に毎年多数の中退者を出している高校は重点的に取り組むこと。また中途退学した生徒に対しては、情報提供を中心とした支援の充実を図ること。
中途退学者数の軽減に向け、分かり易い授業の展開や個別指導に引き続き取り組むほか、多様な学びのニーズに応えるための新しいタイプの高校の設置、中退者数の多い学校へのスクールカウンセラーの重点的配置などに引き続き取り組んでまいります。また、中途退学者向けチラシの作成や専用のホームページの開設とともに、県のお知らせメールサービスを活用した情報提供を行っておりますが、今後は、より幅広い情報提供ができるようにしてまいります。

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