神奈川県では、東海地震・県西部地震や首都直下地震の発生が指摘されている。これら想定されている大規模地震から県民の生命や財産を守るため、市町村や関係団体・ボランティアとも連携して有効な施策を推進していかなくてはならない。また、犯罪のない安全で安心して生活できる地域づくりを推進するためには、地域の自主防犯活動など、住民が一体となる取組みがより必要とされている。
警察関係ではこれまでの、事件が発生してから捜査を行う体制から、いかに事件の発生を未然に防ぐか、発生予防・犯罪の抑止が問われている。
近年発生している子供に関する事案については、地域や学校と連携して取り組む事で、子供たちを犯罪から守ることがより重要となる。
また、近年のネットを駆使したサイバー犯罪や電話による振り込め詐欺等、巧妙な犯罪が多発しているが、こうした犯罪に対しても取締り活動の強化や啓発活動など積極的な対応が求められている。
以上の観点から、下記の要望を行う。
子供の安全を確保するため、様々な取組みがなされているものの、不審者による子供への声かけなど犯罪の前兆である事件も含め、依然として子供を狙った犯罪が後を絶たない。
昨年導入されたスクールサポーター制度など、様々な取組みの効果や課題を検証し、子供の犯罪被害撲滅をはかること。子供の場合些細な事から非行に走り補導等が増えている現状を踏まえ、犯罪被害撲滅と非行防止について警察、学校、地域住民、行政、関係団体が効果的に連携し、より実効性が確保できる取組みを推進すること。
子ども安全対策室では、警察と学校及び地域との連絡調整役として平成19年に導入したスクールサポーターを中心に、児童等の安全確保に関する学校及び地域に対する支援活動、少年の非行防止及び犯罪被害防止教育を推進するなど、取組みを強化しております。
また、平成20年10月からは配信を希望する全ての県民の皆様に対し、必要な情報を分かりやすく、かつタイムリーに提供する「ピーガルくん子ども安全メール」の運用を開始するなど、子どもの安全に関する情報発信活動を推進しております。
今後も子どもの安全確保、非行防止に向け、警察、行政、地域住民等が連携した対策を推進してまいります。
県民の安全確保を求める取り組みを進めるにあたっては、県の財政状況や行政改革の趣旨も踏まえ、限られた人員で、より効果的な犯罪抑止と検挙活動が展開できるよう民間委託が可能な業務については、民間委託を進めるとともに、電子化や端末機の拡充を図り、業務の効率化に積極的に取り組むこと。
警察業務のアウトソーシングについては、県の「行政システム改革」の趣旨を踏まえ、逓送業務や放置駐車違反車両の確認事務の民間委託などの取組みを行っております。
また、業務の電子化についても、平成15年度から「神奈川県警察電子化推進計画」に基づき、職員への端末機器の拡充整備や各種システムの構築に取り組んでおります。
県警察では、限られた財源及び人員を最大限に活用すべく、引き続き効果的・効率的な警察業務を推進するための体制整備に取り組んでまいります。
県民の安全確保という強い使命感と、高度な捜査技術を持つ警察官を効果的に育成するために、退職者を再任用や非常勤として活用すること。
また、老朽化した警察署、交番、公舎等の施設と、先進的な装備の充実を計画的に推進すること。
退職職員の活用については、大量退職期における現場執行力の低下が懸念される中、退職職員の有する豊富な経験と知識を有効活用すべく、再任用及び非常勤職員として再雇用し、現役警察官の業務の補完や若手警察官に対する技能伝承等に努めております。
今後とも、厳しい財政状況の中で、最大の治安効果を発揮するため、退職職員の効果的活用に引き続き努めてまいります。 また、警察施設については、老朽・狭あい化が進んでいることから、厳しい財政事情ではありますが、各施設の老朽・狭あい度を勘案しながら、建替えや改修を検討してまいります。
さらに、警察装備については、さまざまな機会を通じて、第一線の要望を汲み取り、整備充実に努めているところでありますが、今後も、特に地域警察官を中心とした現場執行力を強化するため、犯人の制圧及び受傷事故防止に有効な装備を重点に整備を進めていきたいと考えております。
犯罪抑止効果も含め、その効果が大きいとされている「スーパー防犯灯」の設置を進めるとともに、防犯灯の支柱に、赤色灯やサイレン、防犯カメラが付属し、 110番通報も出来る「新型街頭緊急通報装置」(約 250万円)を設置すること。
また、市町村から設置要望があったものについては、地域性・優先順位を配慮しながら設置を推進し、犯罪のない安全で安心して暮らせるまちづくりを推進すること。
県警察がこれまで設置してきたスーパー防犯灯は5基一組によるもので、その設置状況に関しては、平成18年度までに県内10地区に50基を設置し運用してまいりました。
平成20年度は、県民の皆様の要望に少しでも多く応えられますよう、5基一組ではなく、1基単位で設置、運用することができ、かつ、安価な「新型街頭緊急通報装置」を設置いたしました。
この「新型街頭緊急通報装置」を設置することにより、犯罪の抑止効果や犯罪発生時における迅速な捜査活動への対応が期待できることから、県内の治安情勢や県民の皆様の要望等を考慮して、設置してまいりたいと考えております。
さらに、市町村が独自に「新型街頭緊急通報装置」を設置しようとする場合には、警察で設置した装置と同一型式でないものであっても、その通報先を県警察本部通信指令室とするなど、警察で設置するものと同等の効果が得られるような支援協力を行うなどの柔軟な対応を図ってまいりたいと考えております。
出会い系サイトに係る犯罪や、ネット掲示板における殺人・爆破予告など、インターネットを利用した(顔の見えない)犯罪が急増している。犯罪検知ソフトの開発など、国やプロバイダー、サイト運営企業等との連携を強化するとともに、対応職員を増員し、より実効性のある犯罪予防とあらゆる法令を駆使することで事件化を図り、犯人の徹底的な検挙活動に全力を挙げ、根絶を目指すこと。
県警察では、電気通信事業者と「神奈川県プロバイダ防犯連絡協議会」を設置し、電子メールを活用したサイバー犯罪防止のための情報交換を行っているほか、県内重要インフラ事業者、県内インターネットカフェ等とも同様の情報交換を行っており、今後もこの情報を生かし各種犯罪防止を図ってまいります。
また、インターネットを利用した各種犯罪を予防するため県警ホームページを活用した広報啓発や情報セキュリティアドバイザーによる学校や企業等に対する講演活動、児童・生徒のフィルタリング普及促進などを行っております。
今後もサイバーパトロールにより違法・有害情報を早期に把握し、プロバイダに対して有害情報の削除要請を行うなど、犯罪の温床となる環境の改善に努めてまいります。
さらに、サイバー犯罪に対しあらゆる法令を活用して事件化を図るなど取締りを強化してまいります。
平成19年から制度の見直しにより、駐車禁止の交通規制から除外措置の対象となる車両については、緊急自動車など公共性・緊急性の高いものに限定することになったが、高齢化社会を迎え、福祉車両等への駐車許可については、その需要が高まりつつあるため、実情に応じてより柔軟に対応すること。
また、緊急時や駐車許可の申請手続きの簡略化については、各種団体などに一層の周知を図ること。
身体障害者等が利用する車両に交付している駐車禁止除外標章については、平成19年9月に身体障害者等本人に交付する仕組みに変更するとともに、「患者輸送車」、「車いす移動車」については、新たに駐車禁止の除外対象としたところであります。
訪問介護等で対象者の居宅を訪問する場合には、訪問先の付近に駐車可能な場所がなく、訪問先の場所や日時が特定されているのであれば、駐車許可制度により対応することが適当であると考えております。
また、駐車許可の申請手続きについては、
を認め、申請者の利便性に配慮しておりますが、より一層、各種団体への周知を図ってまいります。
県政機「さがみ」を含めた5機で24時間体制の確立に向けて、操縦士等の必要な体制を整えること。
また、耐用年数については国と県の方針が異なり、約 6,000時間の運航も可能とされているが、27型機の運航も含め、危機管理・治安維持に関して大きな役割を果たしているヘリコプターについて、新機選定も含め整備を図ること。
県警察では、航空機の24時間運航体制の実現に向けて、操縦士の増員等、必要な体制作りに努力してきたところでありますが、この体制が整い、平成20年12月16日から24時間運航体制を開始することができました。
今後、現在の人員体制の下で24時間運航体制を継続しつつ、ヘリコプター5機体制を堅持することは、県民の皆様が安全で安心して暮らせる地域社会の実現に必要不可欠なものと考えております。
道路整備や地域開発などに伴い、歩行者の動線が変化して来ている。特に歩行者が多い交差点では、歩行者の安全を第一に考え、スクランブル方式、歩行者専用現示方式、セパレート式など交通事情に合わせ、歩車分離式信号機を積極的に取り入れていくこと。
歩車分離式信号機については、交通事故防止等を目的に積極的に設置しており、県内全ての信号機に対する設置率は、全国の平均を大きく上回っております。
しかしながら、設置に伴い交通渋滞や待ち時間が長くなり、待ちきれなくなった歩行者の乱横断が発生する恐れがあることから、交通実態を見極めたうえで、順次整備してまいります。
犯罪の多様化、複雑化が進むとともに地域の変化が大きくなっている中で、県民生活の安全・安心を確保するため、地域の防犯及び犯罪対策の拠点となる交番の適正配置については、必要な地域への新設も含めて早期に取り組むこと。
交番の新設については、要望地区における犯罪及び交通事故の発生状況、行政区・面積・人口等の実態、都市の形態、道路・鉄道の整備状況のほか、隣接交番・駐在所等との位置関係、交番用地の確保状況、警察官の確保等を総合的に勘案しながら検討しております。
今後も地域の開発状況及び治安情勢の推移等を見ながら検討してまいりますが、当面は、現存する交番を充実して機能を強化することにより、治安に間隙が生じないように努めてまいります。
なお、交番の新設については、スクラップ・アンド・ビルドを原則として考えております。
犯罪発生率の抑制に地域防犯活動の充実は不可欠である。自主防犯活動団体は2,162団体あり、そのうち県の支援を活用する自主防犯活動団体は、現在、 1,536団体(昨年1,310団体)あるが、さらに自主防犯の活動団体の活性化を図るため、「安全・安心まちづくり団体事業補助金」の補助対象の条件拡大や補助額の増額など、市民の継続的活動に資する支援施策を推進すること。
地域から犯罪をなくすためには、県民一人ひとりが防犯意識を持つとともに、できることから防犯対策を行っていただくことが、大変重要であると認識しております。
団体事業補助金については、限られた財源の中で、できるだけ多くの団体に防犯活動を立ち上げていただきたいと考えているため、ご要望の点については対応困難でありますが、自主防犯活動団体のネットワークづくりの支援や、防犯情報の効果的な発信など、引き続き、自主防犯活動への支援の取組みを進めてまいります。
テロが発生した際の県民の対処方法について十分啓発活動を行うこと。またテロ発生時の応急活動にも活用できる防災資機材の整備、訓練などを通じて各市町村や関係機関との連携を強化すること。
県は、これまで、神奈川県国民保護計画に基づき、横浜市、県警察本部、陸上自衛隊、海上保安庁の参加の下、大規模テロを想定した国民保護図上検討会を実施してまいりましたが、平成20年度は、国との共催による国民保護共同図上訓練を実施し、医療機関など、より多くの関係機関と連携強化を図りました。
また、パンフレット「かながわの国民保護」を作成、配布し、テロが発生した際の県民の対処方法について普及啓発を行うとともに、県総合防災センターで実施している自主防災組織のリーダー研修の中で、国民保護に関する講義を実施しております。
テロ発生時の応急活動にも活用できる防災資機材については、その計画的整備を行っているところです。
今後も、引き続き、訓練等を通じた各市町村や関係機関との連携強化、防災資機材の充実、テロに対する知識や対処方法等の普及啓発に努めてまいります。
横須賀に配備されている米第7艦隊の航空母艦が本年、原子力艦に交代する。県・横須賀市と新たに災害準備及び災害対策に関する覚書を締結した在日米海軍・陸軍とで、地域防災計画の中で役割分担・防災訓練等通じ国、横須賀市、米軍との更なる連携強化を図ること。
県は、今後、神奈川県地域防災計画を改定する際に、新たに在日米軍と締結した「災害準備及び災害対策に関する神奈川県と在日米軍との覚書」を位置付けるとともに、防災訓練等を通じて同覚書の実効性を検証するなど、在日米軍等関係機関との連携強化を図ってまいります。
消防救急無線デジタル化の整備には巨額な整備費用を要し、市町村財政を圧迫することが危惧されている。県における新たな財政支援を創設すること。
消防救急無線の整備は、市町村消防の事務の一部であり、消防組織法に基づく市町村の役割であることから、そのデジタル化についても、市町村が実施することとなっておりますが、消防救急無線のデジタル化に当たっては、その整備費用が多額になるため、県では、平成18年度から5か年間の補助事業である「市町村地震防災対策緊急支援事業費補助金」の補助対象としており、また、国に対しては、消防救急無線の整備について財政支援の充実・強化を図るよう要望しております。
なお、整備に当たっては、県の防災行政通信網の基地局の活用を可能とするなど各市町村の整備費用の低減化を図っております。
災害時には、公的機関だけでなく災害ボランティアや各種業界団体など民間協力による救援活動も不可欠である。いざという時に迅速な対応が取れるよう、日頃から民間団体からの支援を募り訓練などを実施すること。
県が、毎年度、実施している市町村との合同総合防災訓練では、災害ボランティア団体や災害時の防災協定を締結している民間事業者等にも参加いただき、実態に即した訓練を実施しております。今後とも引き続き、このような訓練等を通じ災害ボランティア団体等との連携を図ってまいります。
消防の広域化に伴い必要となる様々な経費が、市町村の財政を圧迫することが危惧されていることから、消防の広域化に関する財政措置の拡充を図ること。
消防の広域化は、消防組織法に基づく市町村の役割であり、また、市町村の自主的な取組みでありますが、その広域化に当たっては新たな通信施設の整備等多額の費用が必要となることから、国では、特別地方交付税措置や国庫補助金の優先配分などの財政支援措置を講じることとしているところであり、県としても、国に対し、さらなる財政措置の充実・強化を図るよう要望しております。
災害時に避難所等の災害対策の拠点となる県立施設について、災害時の応急燃料としても活用できるよう、エルピーガス使用設備の導入を促進すること。また、市町村に対しても、同様の取組みを促すこと。
県立病院では、7病院のすべてにおいて、LPガスの使用や都市ガスとの併用の取組みを実施しております。平成18年1月から診療開始したこども医療センター新棟においても、厨房設備の一部にLPガスを使用しております。
県立福祉施設でのLPガスの使用は、緊急時や災害時の対応を含め、費用対効果の検証や他の施設の設備導入状況も踏まえた検討を進めていく必要があると考えております。
県立学校でのガス使用は、職員室、化学教室等一部の教室など限られた場所での利用となりますが、校舎建築時にLPガスを供給することとした施設については、都市ガス供給地域となっても、既存施設の有効活用の観点から、引き続きLPガスを供給することとしております。また、県立学校等の改築の際には、災害時の対応に配慮し、可能な場合には都市ガスとLPガスを併用するなどの取組みを実施しております。
地域県政総合センターでのガス使用は、主に食堂、栄養指導室、各階の給湯室等限られた場所での利用となっており、建物建築時にLPガスを使用した足柄上地域県政総合センターでのみ、現在もLPガスを使用しております。
青少年施設のうち、食堂を有する清川青少年の家及び藤野芸術の家のガス使用は、都市ガス供給地域外であり、LPガスを利用しております。また、青少年センター内でレストランを経営している業者は、都市ガスを利用しております。
県営住宅建設に伴うガス供給については、ガス事業法第3条により許可された一般ガス事業による供給区域内の場合、一般ガス供給を原則としておりますが、居住者の意向及び団地周辺の一般ガス供給施設の整備状況等を勘案し、ガス種別を決定することとしております。したがって、LPガス機器の設置と使用については、居住者の意向も踏まえた上で、必要に応じて検討してまいります。
警察施設のガス使用は、県・国に指針と言うべきものはなく都市ガス地域では都市ガス、その他の地域ではLPガス使用としております。
県有施設におけるLPガスの使用状況は上記のとおりですが、災害時のLPガスの有効性については、県としても認識しておりますので、今後とも、県有施設の改築等に際しては、LPガスと都市ガスの併用等について、引き続き、検討していくとともに、市町村との会議などの機会を通じて、その有用性を市町村に情報提供してまいります。
犯罪被害者支援法に基づき、県でも条例を制定するが、被害者は多様で家計の担い手から子供まで様々な状況が想定される。被害者や家族が、事件による精神的・経済的痛手から少しでも早く立ち直ることができるようニーズの把握に努めるとともに、きめ細かなサポート体制を整備すること。
犯罪被害者の方々が必要とする支援は、広範かつ多岐にわたり、被害者の方々は、大変厳しい状況に置かれております。
犯罪被害者支援については、県警察が事件直後の初期支援を、県が中長期的な生活支援や市町村など関係機関との連携などを、そして、民間支援団体が、行政では対応できない迅速で柔軟な支援を担ってまいります。
そして、今後の条例制定を踏まえ、これら三者が一体となり、それぞれの専門性やノウハウを生かして、被害直後から中長期的な支援に至るまで被害者の方々のニーズにあったきめ細かい支援を総合的に提供する体制づくりを推進してまいります。
また、県民、事業者の方々の理解を促進し、犯罪被害者の方々を温かく支える地域社会づくりを推進してまいります。

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