02. 県議会報告

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平成21年度予算への要望に対する知事の回答 民主党・かながわクラブ 山口委員

雇用を巡る情勢が深刻化する中で、障害者や若年者、高年齢者を取り巻く課題を解決し、雇用全般を支える施策を推進することが強く求められている。

さらに、原油・原材料の高騰と景気後退による経営への打撃が雇用に波及する悪循環を断ち切り、産学公連携による技術支援と経営革新への支援を充実させて、中小企業の活性化に取り組むことが不可欠である。

以上の観点を踏まえ、以下の項目について要望する。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

1. 障害者の就業支援の充実強化

神奈川の民間企業における障害者の雇用率は2007年度には目標をほぼ達成したものの、現下の雇用情勢の厳しさからすれば2009年度の法定雇用率達成や2010年度の1.92%達成は予断を許さない。一方で18年度特別支援学校卒業生の就職率は全国平均を3ポイント上回る25.9%であり、県は障害者しごとサポーターの配置を県内全域8地域二名ずつに拡大し、職場指導員配置企業に対する補助や、障害者就労相談センターにおける精神障害者に対する支援を強化しているが、職場定着などの課題は依然として大きい。

ジョブコーチの更なる育成に向け研修を受けやすい環境を整え、企業や作業所などでの就労の継続と雇用拡大・雇用内容の向上を実現すること。中小企業による特例子会社の設立を支援すること。

積極的な観点から就労可能な業務内容を精査し、直接雇用のほかNPO等への委託も含め、神奈川県自身の障害者雇用の拡大と職場定着を推進すること。障害者就業支援に関する検討の場に当事者団体の参加と意見の反映を行うこと。平成22年度の全国障害者技能競技大会の神奈川開催を機に障害者雇用につながる作業体験機会と就業訓練の場の確保・拡大をはかること。

【回答】松沢成文神奈川県知事

職場適応援助者(ジョブコーチ)については、従来地域障害者職業センター等に配置されていましたが、平成18年6月からは国指定の民間機関が実施する養成セミナー等により職場適応援助者が養成されており、県としては、今後もこうした職場適応援助者の普及状況を注視し、平成21年度からは、「障害者ジョブコーチ」を養成する講座の開催をNPO法人等に委託し、職場定着支援を担う人材不足の改善を図ってまいります。

中小企業における特例子会社の設立については、「障害者の雇用の促進等に関する法律」が改正され、中小企業が事業協同組合等を活用して、共同で障害者を雇用する仕組みが創設されることになっておりますので、その周知に努めてまいります。

また、県庁内の障害者雇用については、目標雇用率を3%として取り組んでおり、知事部局では既に達成しているところですが、直接雇用のほかNPO等への委託も含め、引き続き努力してまいります。

障害者の就業支援に関する検討の場への当事者団体の参加などについては、今後、各構成団体のご意見もお聞きしながら、情報交換のテーマを考えるうえで、関係者の出席については、検討してまいります。

さらに、平成22年に本県で開催する全国障害者技能競技大会を契機とし、障害の有無に関わりなく、誰もがものづくりに参加でき、技能を修得できることを伝え、広く障害者に対する社会の理解と認識を一層高めてまいります。

なお、神奈川障害者職業能力開発校では、障害者の適性や能力に適応する職種について、職業に必要となる技能及び知識を習得するための職業訓練を行っておりますが、今後ともご要望の趣旨を踏まえ、訓練コースの充実を図ってまいります。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

2. 中小企業支援の推進

雇用や経営動向の変化を迅速的確に把握し、短期資金支援など機動的な財政措置を含む更なる支援を行うとともに、金融を含む支援メニューや応急生活対策資金などの周知と相談体制の充実を行うこと。

県として制定を目指す中小企業活性化推進条例は、同条例に基づく中小企業活性化推進計画を、県民にとって具体的なメリットが一目瞭然で、地域の特性を踏まえ、検証可能なものとすること。サービス業の振興のための調査を踏まえて具体的な振興策を確立すること。中小企業への影響が大きい新税の導入は慎重に検討すること。

【回答】松沢成文神奈川県知事

返済期間が1年以内の短期資金については、平成20年4月に新設した責任共有制度の対象外資金である「小規模事業資金(小口零細融資)」において、短期資金での利用を可能にするとともに、平成20年10月からは、県内中小企業をとりまく経営環境が一段と厳しくなっていることを踏まえ、簡易保証制度を活用した迅速な融資実行が可能な「小規模事業資金(無担保クイック保証融資)」においても、短期資金での利用を可能にする改善を行っております。平成21年度に向けては、上限金利の引下げなど所要の改善措置を講じたうえで、引き続き同様の融資を実施する予定です。

応急生活対策資金については、各地区で実施しております労働相談や、公共職業安定所の窓口での相談の際にも制度を案内するなど、周知と相談体制の充実に努めてまいります。

中小企業活性化推進計画は、中小企業の振興について具体的な実施計画として策定するもので、具体的な施策をわかりやすく示してまいります。また、地域の特性について検討を行い策定に取り組むとともに、実施する施策については神奈川県中小企業活性化推進条例に基づき「検証」を行ってまいります。また、中小企業の実情を把握するための調査研究に取り組んでまいります。

なお、神奈川県内の法人に新たな税負担をいただく場合は、県として取り組むべき施策とそれに対する負担のあり方について慎重に検討した上で、県民の皆様のご理解をいただかなければならないと考えます。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

3. インベスト神奈川の検証と企業誘致の持続的推進

前期誘致件数の倍増を掲げて現在第二ステージにあるインベスト神奈川の平成21年度終了を視野に入れて、その検証と企業誘致の基本方針の検討を行うこと。

これまでの取り組みの検証は、誘致した企業の現状と課題、若年者雇用やCSRについての推進状況のほか、投資効果、地域特性や産業集積との関係を精査し、新たな基本方針においても一段と重視すること。

基本方針の検討に際し、研究開発型企業の誘致を基軸としつつ、広い領域でのものづくりに産業の基盤を置いている現状を踏まえて、地域産業全体の中での位置付けや将来展望を示すこと。

【回答】松沢成文神奈川県知事

インベスト神奈川は、「中小企業を含めた県内産業の活性化と雇用の創出」を最大のテーマに、平成17年度から平成21年度までの5年間を対象期間として施策を展開しております。平成22年度以降の企業誘致の取組みについては、今後、インベスト神奈川の政策効果を検証するとともに、市町村や関係団体等のご意見を伺い、政策環境の変化や県内各地域の産業集積の状況にも十分配慮しながら、検討してまいります。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

4. 地域産業力の強化

EVなど新規分野での産業集積が加速する中で、産学公連携をはじめとする、地域産業力強化につなげる具体的な取り組みを進めるために、神奈川R&Dネットワーク構想協議会の平成21年度終了を見込んで、持続可能な地域産業政策を打ち立てること。

新規産業創出と地域活性化に向けて、ベンチャービジネスや起業・コミュニティビジネスをもっと盛んにするために、技術移転、人材育成、資金調達、情報入手、販路開拓・連携、海外窓口などを総合化した支援体制を市町村・民間とともに創設すること。

商店街活性化に向けNPOや大学と連携するニューコマースの効果的な推進のために民間の活力を取り入れ、商店街を根本から活性化させるまちづくり事業を起業して行う手法の導入に向け検討すること。

【回答】松沢成文神奈川県知事

平成21年度末に、神奈川R&Dネットワーク構想の推進母体である「神奈川R&D推進協議会」の活動期間が満了いたしますが、平成22年度以降の取組み等を検討し、地域産業力の強化等を図ってまいります。

総合的な支援体制については、(財)神奈川産業振興センターが、「中小企業新事業活動促進法」に基づく中核的支援機関として県内の各支援機関をネットワーク化し、創業・新事業進出を支援しており、人材育成、資金調達、情報提供、販路開拓・連携、国際化支援などさまざまな面から県内中小企業・ベンチャー企業の多様なニーズに対応したワンストップサービスを提供しております。

民間活力を導入した商店街を活性化させるまちづくりの手法については、現在、国において、研究会を設置して、先進事例の分析を通じての効果的な手法の検討が進められており、また、先行的な取組みを行うまちづくり会社等に対する支援が始まったところです。

こうしたことを踏まえ、全国のモデル事例なども参考にしながら、今後、本県における効果的なまちづくりの手法について、研究していきたいと考えております。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

5. ものづくりへの総合的な支援の確立

平成22年度に本県で開催される技能五輪全国大会を契機として、ものづくりへの支援を総合的に実施する体制を確立すること。

熟練した技術や伝統的な技能に関して、慢性的な後継者不足を解消し、「技術・技能の神奈川づくり」を目指して、施策の総合化・一貫化を行うこと。東部総合職業技術校に続き平成24年度開校予定の西部方面職業技術校を含めて、こうした点に十分配慮した人材育成が継続して行われるよう、基本的な事項を定めたものづくりへの総合的な支援の基本方針を定めること。

先端技術分野のものづくりに対しては、人材確保・産業育成を基本におきつつ、企業立地についても支援を強化し、集積の層を厚くすること。

手工業等のものづくりの支援にあたっては、市場の確保・振興に向けた支援を強化するとともに、後継者養成を担う職業教育機関と学校との連携、専門的技能・技術の水準を維持するための能力開発等について総合的に支援すること。

【回答】松沢成文神奈川県知事

平成22年に本県で開催する技能五輪全国大会を契機とし、競技参加に向けた選手の育成強化を通じて、熟練技能者の持つ技術・技能を若年者に伝え、若手技能者の能力向上を図り、技術・技能の継承を進めてまいります。

県内中小製造業における技術・技能継承を総合的に支援する拠点として、東部総合職業技術校(かなテクカレッジ)に「技術・技能継承プラザ」を設置し、ものづくり技術・技能の継承の拠点として中小企業の支援を行っております。

また、同プラザでは、「在職者訓練コーディネータ」が技術・技能継承に関する相談を受け、従業員の技術・技能の継承や向上を目的としたセミナー(在職者訓練)を開催するとともに、次世代を担う中堅若手の従業員に技術・技能を伝授するため、高度熟練技能者等を講師として「ものづくり継承塾」を開催し、中小企業等を支えていく人材の育成を図っております。

また、インベスト神奈川では、施設整備等助成制度の対象業種の一つとして「高度先端産業」を定め、先端技術分野の企業の県内への集積を促進しております。今後とも、人材の確保や産業の育成に努めながら、産業集積の層をさらに厚くするため、企業誘致に取り組んでまいります。 

なお、箱根寄木細工等の伝統工芸品産業の振興を図るため、産業技術センターにおいて技術的支援や商品化に向けた支援を行うとともに、産地組合や関係団体が行う後継者育成事業、需要開拓事業等に対して、国や地元の市町と連携しながら支援してまいります。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

6. アジアからの観光戦略の確立

2009年3月の富士山静岡空港開港に続き、2010年10月末に供用開始する羽田空港の再拡張・国際化で、大幅な増加が見込まれる中国や韓国など東アジアからの観光客に対し、観光案内サインや道路交通標識をはじめとする表示の多言語化や、ポータルサイトの設置、基本習慣や語学研修の実施等による人材育成を急ぐこと。とくに来年度は観光振興条例の提案が予定されており、増大が見込まれるアジアからの観光について総合的な戦略と具体的な指針を確立し早急に取り組むこと。

東京都、静岡県、山梨県との連携を強め観光魅力の創出に一層力を入れること。神奈川版の通訳案内士制度を創設するとともにボランティアによる観光案内を市町村とともに積極的に支援すること。鉄道、高速道路、一般道等のアクセス改善と渋滞解消を含めた総合的なホスピタリティの向上のため、即効性のある具体的な指針を取りまとめること。

鎌倉市と横浜市の世界遺産登録実現に向けて、県として引き続き最大限努力すること。京浜臨海部をはじめとする産業観光など、地域の特色を生かした観光の魅力アップと効果的なプレゼンテーションを市町村とともに行うこと。

【回答】松沢成文神奈川県知事

アジアからの観光客誘致については、外国語による情報発信や観光標識・観光案内板の多言語化、通訳案内士・ボランティアによる観光案内の向上などの受入体制整備、ターゲットとなる国・地域の市場特性に応じた観光プロモーションのあり方、加えて地域観光資源の特色を生かした京浜臨海部などの観光魅力アップとプロモーションなど、多くの課題がありますので、こうした点を踏まえた総合的かつ戦略性のある国際観光振興施策を今後検討してまいります。

また、外国人観光客の誘致については広域的な取組みや国との連携が有効であることから、国のビジット・ジャパン・キャンペーンと連携し、山梨県、静岡県と共同で取り組んでいる「富士箱根伊豆国際観光テーマ地区」をはじめとして、首都圏連携など周辺の都県や市町村とも連携しながら、東アジア地域を中心とした外国人観光客の誘致促進など広域観光への取組みを引き続き実施してまいります。

交通施策については、本県の基本方向を示した「かながわ交通計画」(平成19年10月改定)に基づき、鉄道網や道路網といった交通網の整備や、シームレス化による公共交通の機能強化など、総合的な交通施策の展開に取り組んでおります。 なお、武家の古都・鎌倉の世界遺産登録の推進については、4県市(県、横浜市、鎌倉市、逗子市)が連携し、早期の登録実現のため全力で取り組んでまいります。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

7. 海外経済交流の推進体制強化

羽田空港の再拡張・国際化を目前に控え、サテライトオフィスを設置する中国・上海での実績等を検証しつつ、今後本県と政治経済的に関係の深い北米・欧州での設置を前向きに検討すること。検討に際しては海外駐在員の増派についても併せ行うこと。

県内企業の海外進出を支援するため、海外経済交流の直接有力な窓口となるGPO(グローバル・パートナーシップ・オフィス)の充実に努めるとともに、技術展示会等の開催を支援するほか、経済交流のためのミッションの編成などに一層力を入れること。

【回答】松沢成文神奈川県知事

本県の海外との経済交流については、効率的な運営等の観点から、中国・大連駐在員事務所に代わり、新たに大連サテライトオフィスを委託することとしており、上海サテライトオフィスとともに実施していくこととしているほか、産業貿易センタービル2階に、ジェトロ横浜やGPO(グローバル・パートナーシップ・オフィス)等を集約し、国際ビジネスの支援拠点としてKGC(かながわグローバルビジネスセンター)を開設するなど、その推進体制の強化を図りました。

今後においては、海外拠点やその支援体制の効率的な運営等について、検討、見直しをしてまいります。

【要望】民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団

8. 産業用地創出の推進

事業拡張に伴う用地不足を理由とする県内企業の県外移転を食い止めるために、産業用地創出と用地情報の収集・機敏な提供を強化すること。

第一生命大井事業所の再編・移転に伴う支援をはじめとして、まちづくりの観点から地域のニーズや目指す方向に沿う産業立地を実現するため、必要な支援を行うこと。

【回答】松沢成文神奈川県知事

インベスト神奈川では、県内への企業誘致や既存企業の県内再投資を促進するため、これまでも用地情報の収集・提供や、新たな産業適地の創出に努めており、今後とも企業のニーズに的確に対応できるよう、こうした取組みを進めてまいります。

なお、良好な産業立地のための環境整備や大規模事業所の再編等に伴うまちづくりについては、県としても引き続き必要な支援に努めてまいります。

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