本県の教育に関する課題は山積しており、どのような難題であっても解決に向けて地道に取り組んでいかなければならない。しかし、現下の厳しい財政状況を考えれば、教員の加配などの量的な解決策はなかなか選択しにくい。
よって、必要な予算はしっかり確保し優先順位を明確にして機動的に配分すると共に、知恵を出し合い、教育の質の向上を図る観点から、以下要望する。
既存養護学校の過大規模化に対応するため、将来の見込みを勘案して分教室を計画的に増設すること。また、安全な通学手段の確保、身体的負担軽減の観点からスクールバスの増車を推進すること。
児童の放課後ケアの要望に応えるため、新設の養護学校には施設を校内に確保すること。また既存の養護学校に関しては確保に努めること。
特別支援学校の再編整備計画については、全県的な児童生徒の増加状況等を勘案しながら、分教室の設置も含め、県の総合計画の中で整備を進めてまいります。
また、スクールバスの増車についても、児童生徒の安全な通学手段確保のため、計画的な整備に努めてまいります。
児童生徒への放課後支援については、校内におけるスペース確保など、市町村等と連携を図りながら、できる限り協力してまいりたいと考えております。
平成20年度より理学療法士、作業療法士などの専門職が8名配置されることになったが、障害の重度・重複化、多様化に対応するため、さらなる充実を行うこと。同時に教職員の専門性を高めるための施策を充実させること。
平成20年度より、県立特別支援学校に理学療法士、作業療法士などの専門的な資格を有する教員の配置を始めました。これは、障害の重度・重複化、多様化への対応と地域支援センターとしての機能強化を主な目的としています。
平成20年度は6名の配置を行いましたが、平成21年度は8名程度を採用し、順次配置校を増やしてまいりたいと考えております。また、これにより、教職員全体の専門性の向上を図ってまいります。
なお、理学療法士等の配置については、今後とも進めていく予定です。
また、その効果的な活用について、さらに検討を進めてまいります。
不登校児童・生徒数、いじめの認知件数ともに全国ワースト水準にある現状を鑑み、これまでの施策を総点検し、未然防止と問題解決に注力すること。スクールカウンセラーに関しては、配置時間の見直しを行う等、運営方法の改善を図り、全体の相談者に占める生徒の割合、また全体の相談内容に占める不登校、いじめの割合が共に低いことから、生徒が相談しやすい体制づくりに努めること。
これまでに実施してきた不登校・いじめ対策により、一定の成果は表れていると考えておりますが、依然として全国的にも高い水準にあることから、今後も必要な施策について検討し、有効な対策につなげるよう取り組んでまいります。
スクールカウンセラーについては、これまでも定時制を持つ学校については勤務時間を定時制生徒の多い時間帯に合わせるなど、生徒が相談しやすい体制づくりに努めてまいりましたが、今後もそうした取組みを継続してまいります。
学校等では相談することができない悩みを持つ児童、生徒、保護者が学校外や自分の生活圏外で平日夜、人の目を気にせず安心して相談できる相談体制を構築すること。相談員は深刻な悩みに対応し教育的判断ができる教育経験者を配置すること。
学校外における相談場所としては、総合教育センターにおいて電話や来所、Eメール・FAXにより、さまざまな教育相談を受けており、「いじめ 110番電話相談」は24時間年中無休で対応しております。いずれの相談においても、教職経験豊かな相談員や臨床心理士等の専門性を有する相談員が対応しております。
また、青少年サポートプラザや県内各地の児童相談所などにおいても相談を受けております。
今後も、学校や地元の市町村教育委員会に相談することを躊躇してしまう子どもや保護者への配慮も大切でありますので、相談対応機関や市町村教育委員会とも連携を図ってまいります。
親の経済的事情により子供の教育に大きな格差が生じないようにしなければならない。経済的な支援を必要としているすべての生徒に対して高等学校奨学金制度が適用されるよう、所得要件の見直しを含め制度の充実を図ると共に財源を確保すること。また返済金が新たな貸付の原資になることから、収納の向上に努めること。
奨学金の所得要件については、所得要件を含め真に奨学金の支援が必要とされる生徒に貸付が行えるよう、奨学金制度の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
また、返還金の確保については、平成19年度から支払督促を活用するなど、督促の強化を図っているところですが、今後さらなる収納率の向上を目指し、納入しやすくするための口座振替の導入などを検討してまいります。
児童虐待をはじめ親子をめぐる諸課題はますます深刻化している現状を鑑み、全ての県立高校が親になるための教育の時間を十分に確保すると共に、実践研究の成果を速やかに現場にフィードバックし、教育内容の充実を図ること。
県立高校においては、公民科、家庭科などの教科において親の役割と保育や家族関係について学習することが学習指導要領に定められております。教育委員会では「親になるための教育」の推進に向けて、平成19年度は「総合的な学習の時間」等で活用できる実践・参加型プログラムを作成し、各学校に配付しました。平成20年度は実践研究校9校を指定し、各校の教育目標や生徒の実態に合わせた研究活動を推進し、その充実に努めてまいります。
部活動は生徒の心と体を育む上で教育的意義は広く、県も「かながわ部活ドリームプラン21」を策定し部活動の活性化に取り組んでいる。条例、規則等を改正し、部活動を教育活動の一環と明記し、より一層の参加促進を図ること。
部活動の活性化を図るため「部活動活性化検討会」を組織し、教育活動の位置付けも含め、総合的に検討してまいります。
児童や生徒の携帯電話やインターネットの利用が急速に拡大し、犯罪に巻き込まれたり、人間関係のトラブルに発展するなど様々な問題が発生している。こうした現状を鑑み、効果的な対策を検討し、速やかに児童、生徒と保護者にフィードバックすること。
携帯電話やインターネット等の利用に関する問題については、青少年保護育成条例で保護者やインターネットカフェ等の事業者に、青少年が利用する端末機にフィルタリング機能を導入するよう努力義務を課しており、さらに事業者に対しては、立入調査を実施するなど指導の徹底を図るとともに、キャンペーン等を通じて、広く県民に周知を図っております。また、県の児童福祉審議会社会環境部会において、平成20年度の重点協議事項として「インターネットが青少年に与える弊害と対策について」を取り上げ、協議が進められているところです。
なお、教育委員会では、平成20年7月に「子どものケータイ安全・安心検討委員会」を立ち上げ、この委員会での検討結果を踏まえ、携帯電話の危険性や主なトラブルへの対処法などを掲載した携帯電話サイト「かながわモード」を平成20年11月に開設し、携帯電話の安全・安心な使用のための指導・啓発を推進しております。
教職員には高い指導力を求められており、常に研鑽に努めなければならない。教職員が児童・生徒指導、教材研究など本来職務に専念する時間を十分に確保する観点から、事務の簡素化・効率化、モンスターペアレント対策など施策の充実を図ること。
事務の簡素化・効率化については、平成20年7月31日付けで「教員の勤務実態改善に向けた取組について」(教育長通知)を発し、教員が子どもたち一人ひとりに向き合う為の時間や教材研究のための時間などを確保できるよう、教員の負担軽減に向けた取組みを示したところです。
今後も、学校において、一部の教職員に過重な負担がかからないような適正な校務分掌の配分、会議の効率化等の校務運営の能率化、時間外勤務命令の適正な取扱い、休憩時間の確保がなされるよう指導してまいります。
いわゆるモンスターペアレントへの対応については、市町村教育委員会が行う管理職の研修会や各学校が行う校内研修会で取り上げ、内容や対策について共通理解を図っているところです。
また、本県における状況を把握するために、幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校に対する調査を行っております。
今後も市町村教育委員会やPTAなど関係機関と一層連携を図りながら、その対応について議論を深めてまいります。
特色ある学校作りを推進するなかで、求められる人材も多様化している。退職や人事異動なども勘案し、長期的な視点にたった緻密な計画を策定すること。
正規教員の採用数については、毎年、教員定数の推計、退職者の見込数、再任用者見込数等を基に、将来的な年齢構成も踏まえて決定しております。
教育委員会における障害者雇用率は法定雇用率を大きく下回っている。障害のある教職員が教壇に立ち生徒と接することは、生徒の障害者に対する理解を深める上でも効果が期待されることから、数字のみではない実効性のある採用計画を立案し、雇用率の改善を図ること。
教員の採用に当たっては、教員免許状を所有していることが必要でありますが、障害のある方で教員免許状を所有している方が少ないことが、障害者雇用率が低い原因になっていると考えております。
こうしたことから、障害のある方が教員採用試験をより積極的に受験していただけるよう、平成17年度から「身体障害者特別選考」を設け、県内の関係機関や近隣の障害者団体に受験PRを依頼するなど、周知に努めているところです。
今後とも、教員採用試験の受験上の配慮とともに、障害のある方が教員として活躍されている状況を、大学訪問の機会に説明するなど、受験者の拡大に向けて、一層の対応をしてまいりたいと考えております。
民の知恵を公のサービスに適切に取り入れ、誰もがもっと利用したくなる県立図書館にすることを明確な目標とし、利用者本位で地域と連携した高水準な顧客サービスを達成すること。そのために毎年の事業目標達成の度合いに応じて資金配分を見直すなど、適切なインセンティブを付与すること。
県立の図書館には、専門性の高い資料収集や情報提供サービスの充実に加え、広域的な立場から市町村立図書館等を支援することが重要な役割として求められていることを踏まえ、今後再編整備の準備を進める中で、業務実施面における民間の知恵の導入についても検討を行ってまいります。
あわせて、日常的な業務改善においても、来館者調査等で利用者のご意見をお聞きし、実施可能なものから逐次県民サービスの向上に取り組んでまいります。
また、適切なインセンティブを付与することについては、どのような手法が高水準な県民サービスを達成するためにより効果的であるのか、検討を進めてまいります。

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