先の本会議の代表質問において、大井議員から「専門高校の今後のあり方について」質問があり、教育長から「将来のスペシャリストを目指し、神奈川県産業教育審議会の報告を踏まえて、今後、少子高齢化、産業・就業構造の変容など、社会の変化に対応した新たな専門学科の設置や専門教育の充実に努める。」との答弁があった。そこで、専門高校の現状と今後のあり方について、具体的な内容を伺いたい。
まず、神奈川県産業教育審議会において、本年5月に報告がまとめられたということだが、その後の取組はどうなっているのか。
本会議でも教育長から答弁したが、平成20年1月の中央教育審議会答申の中で、今後の職業教育に求められる役割として、将来のスペシャリストの育成、将来の地域産業を担う人材の育成、人間性豊かな職業人の育成の三点が示され、これらの観点を踏まえて、平成21年3月に高等学校学習指導要領が改訂され、25年度から実施される。
県産業教育審議会は、この三つの役割を踏まえ、「これからの社会を見据えた専門高校のあり方」について、専門高校の全体としての報告がまとめられた。
現在は、部門別に検討を始めており、今年度は農業と福祉に関して、県産業教育審議会に審議を依頼し、今後の福祉教育のあり方、今後の農業教育のあり方、農業と福祉の連携について、これまでに2回審議会が開催された。今後も各専門学科別に審議をお願いし検討していく。
スペシャリストの育成を目指しているということだが、県が考えるスペシャリストとは、どういう方か。
様々な専門分野があるが、専門性にたけた方が大前提である。併せて、県立高校での教育であるので、地域に貢献できる、将来の地域産業を担える専門的な人材をスペシャリストと考えている。
地域産業を担うには、地域の方々との様々な連携が必要であるので、専門知識だけではなく、人間性豊かである人材を総称して、将来のスペシャリストと考えている。
他県では、専門高校における選抜で括り募集などが行われている。これは入学後に自分の興味・関心に応じて専門分野を選択することができるため、有効な方法であると考えるが、県立専門高校ではどのような工夫がなされているのか。
現在、県立専門高校には二つのタイプがある。
まず、1年次から希望する専門分野について専門的な知識・技術を学び、旋盤や造園等の技能士、電気工事士や自動車整備士等の資格取得を卒業までに目指した学校、例えば、機械科、電気科、園芸科学科などは、括り募集は困難であり、学科毎の募集になる。
もう一つは、来年には、川崎工業高校が川崎工科高校に改編されるが、既に工科高校は、平塚工科高校、藤沢工科高校が設置されており、また、商業においては、小田原城東高校が小田原総合ビジネス高校と改編されたが、これらの高校は、入学時に括り募集をして、1年次は専門分野の基礎・基本を共通で学んだ上で、2年次から、それぞれの希望・特性に応じて分かれていくカリキュラムを用意した新しいタイプの高校が県立高校改革推進計画の中で設置された。
各校の教育課程は、目指すべき方向性によって異なるので、全て括り募集に、また、全て学科別に募集すればよいということではなく、今後も各学校の実情に応じた募集方法を考えていきたい。
現在、括り募集をしている高校はどのくらいあるのか。
括り募集という言葉が適切かどうかはわからないが、県立高校では、入学時に一つの学科として募集をしているのは、商業で小田原総合ビジネス、工業では、藤沢工科高校、平塚工科高校、来年4月に開校する川崎工科高校などがある。
募集定員は。
基本的に6クラス規模である。
私はスペシャリストの育成とは、その業界を発展させるというプライドと使命感を持った人材の育成であると考えるが、教育委員会としてスペシャリストの育成をどのように考えているのか。
専門教育ばかり行っていては偏りが出てしまうので、地域貢献等も必要である。現在、専門高校では、各専門分野に応じて具体的な地域貢献活動を行っている。その活動の中で、人と人とのふれ合いを通じて人間性が養われる。専門家を育てるには、専門教育も大切であるが、普通教育も含めた様々な教育を行う中で、スペシャリストの自覚を養うことが必要であると考えている。
一方、高度な専門知識や技術を身に付けた教員もいるが全ては網羅できないので、企業から高度な専門知識や技術を身に付けた方を高校に招いて出前事業を実施する等の取組を進めている。
一概に専門家、スペシャリストと言っても、各専門分野で追い求めるものが異なるので、農業は農業、工業は工業、商業は商業、水産は水産なりに進めているので、県教育委員会として、今後も支援していきたいと考えている。
中学校にとって魅力のある学校になるように取り組んで欲しい。

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