02. 県議会報告

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文教常任委員会 質疑応答要旨(平成21年12月14日、16日)民主党・かながわクラブ 山口委員

【質問要旨】山口委員

これからの社会を担う高校生が、修学旅行において、日ごろ触れることのできない自然や文化を体験することや、教師や生徒の人間関係をより深めたりすることにより、見聞を広め、自主的、実践的な態度を身に付けることは、重要であると考えている。

修学旅行は、教育活動の有効な手段の一つとして、それぞれの学校が学校の特色を踏まえながら計画していることと思うが、まだ、行き先や内容に学校の特色があまり反映されていないように思う。

そこで、県立高校における修学旅行の行き先について伺いたい。

【答弁要旨】高校教育課長

県立高校の昨年度、平成20年度における修学旅行の実施状況は、県立高校全147校のうち、国内修学旅行のみを実施している学校が114校、海外修学旅行又は海外と国内を組み合わせて実施している学校が33校であった。

国内修学旅行の行き先としては、沖縄が92校と、全体の約6割を占め、次に北海道が29校と約2割であり、沖縄と北海道で約8割を占めている。

このほか、九州が15校(10.2%)、関西が12校(8.2%)、東北が4校(2.7%)、中国地方が3校(2.0%)などとなっている。

なお、複数コースで実施した学校があるため、合計は100%を超えている。

海外修学旅行の行き先としては、実施校33校のうち、シンガポール・マレーシアが15校と最も多く、続いて韓国が6校、グアムが3校、サイパンが2校、オーストラリアが2校、その他が5校となっている。

【質問要旨】山口委員

行き先については、北海道や沖縄が多いようだが、行き先や内容はどのように決められているのか、また、どのくらい費用がかかるのか。

【答弁要旨】高校教育課長

県教育委員会は平成12年に「県立高等学校の集団宿泊的行事及び日帰り旅行に関するガイドライン」を定めている。行き先については、「教育的見地から慎重に検討して選定する」こととしており、各学校が、修学旅行のねらい、学校の特色や教育目標などを踏まえ、決定している状況である。

内容については、単なる観光に終わることのないよう、まず、実施の目的を明確にした上で、実施学年の教員を中心に検討し、校長が教育的見地から主体的に決定している。 計画にあたっては、例えば、入学時に、保護者、生徒から行き先や内容についてのアンケートをとったり、入学当初に生徒旅行委員会を発足させて、内容について検討させたりするなど、保護者・生徒の意見や希望を反映させるような工夫や配慮を行っている。

費用については、「保護者の経済的負担を十分考慮した適切な額とする」というガイドラインを定め、国内修学旅行は概ね3泊4日で10万円以内、海外修学旅行は概ね4泊5日で11万円以内で計画するよう、各県立高校に対して指導している。

【質問要旨】山口委員

修学旅行の行き先や内容は、学校の特色と関係すると思うが、民間人校長がいる学校の行き先や内容には何か特色があるのか。

【答弁要旨】高校教育課長

現在、県立高校において6人の民間出身の校長がいる。それら6校の修学旅行の行き先は、沖縄が4校と北海道が1校あり、また、北海道、四国、鹿児島・屋久島、沖縄という4つのコースから、生徒が選択する学校が1校となっている。
内容的には、ほかの県立高校と同様である。

【質問要旨】山口委員

修学旅行は、多くの時間と費用をかけて、学校の授業とは別なところでの教育的効果を考えて行われていると思うが、県教育委員会は、今後の修学旅行のあり方についてどのように考えているのか。

【答弁要旨】高校教育課長

修学旅行は、日ごろの学校生活では学べない、例えば、自然や文化に親しむ貴重な機会であり、また、生徒間同士もあるが、生徒と教員が修学旅行を通じて信頼関係を深め、生涯の楽しい思い出ともなる、教育的価値の高い学校行事である。

修学旅行の実施にあたっては、各学校が、生徒に何を学ばせるのかということをはっきりと明確にした上で、そのねらいを実現するために必要な活動を精選し、事前指導など、十分な準備を行った上で旅行を実施することが望ましいと考えている。

また、旅行中は当然、旅行後も十分な事後指導を行い、体験発表会の実施や報告書の作成などを通じて、旅行中の体験をさらに進化させ、深めることが大事だと考えている。

議員ご指摘のとおり、修学旅行は多くの時間と費用をかけて実施するので、今後、行き先や学習内容、事前・事後の指導計画などを含めて、計画書をしっかり把握して適切な指導・助言を各学校に行っていきたいと考えている。

【質問要旨】山口委員

費用の積立はどのような方法で行っているのか。

【答弁要旨】高校教育課長

各学校が校長の判断で行っている。基本的には生徒や保護者が支払方法を選べる、例えば、一括払いや分割払い、分割でも何回にするかを選べるものもある。旅行業者を選定する際には、徴収方法を含めた上で業者選定している。

【質問要旨】山口委員

行き先は学校が決めているが、費用については直接、旅行業者に積み立てを依頼しているのか。

【答弁要旨】高校教育課長

校内で旅行業者を選定すると、費用の積立については、旅行業者と関連した業者が、費用の積立方法などについて学校と協議して、家庭に通知を出して選んでもらうという形をとっている。

【質問要旨】山口委員

実際に旅行費用を徴収する時は、学校は業者との間に入らないのか。

【答弁要旨】高校教育課長

入らないというより、教員がお金を扱うことはない。業者の方に口座振替なり、その方法は業者によって異なるが、そういう方法で行っている。

【質問要旨】山口委員

旅行前に費用の積み立てを扱っている業者が倒産した場合、積立金はどうなるのか。

【答弁要旨】高校教育課長

当然、取扱い業者と約款を交わしているが、その約款には、例えば、「お客様は、当社の責に帰すべき事由により、当社が契約した教育旅行の購入を受け容れなくなったときは、本契約を解除することができます」とあり、本契約が解除されたときは、支払済みの分割前払金を、現金にて払い戻すとある。

現実に1件、積立途中の旅行代金を全額回収し、その後、他の業者が引き継ぎ、生徒は無事に旅行を実施できたという例がある。

【質問要旨】北井委員

行き先や内容については、教育的見地から学校が決めているということだが、県教育委員会が計画書を却下することはあるのか。

【答弁要旨】高校教育課長

教育委員会で却下したことはない。

【質問要旨】北井委員

提出された計画書はそのまま受理するのか。

【答弁要旨】高校教育課長

事前に学校の方から相談があれば、指導主事が相談に乗って対応することはある。あまりにもひどい旅行形態や、あまりにも高額な旅行費用の場合には指導していく。

【質問要旨】北井委員

最近は、修学旅行の行き先として海外に行く場合があると聞いている。しかし、例えば、多くの学校が訪れている韓国の「独立記念館」や「西大門刑務所歴史館」には、ある意味、反日的な展示やジオラマがあり、教育を行うのにふさわしい施設なのかという疑問が残る。

神奈川県の高校では日本史必修化に取組み、近現代史教育を強化しているのに逆効果となるのではないか。

また、平成16年11月9日の参院外交防衛委員会において、町村外相は、中国を訪れる高校生ら修学旅行生が「抗日記念館」などを訪れることで、一方的な情報が頭に植えつけられないよう、資料を配布するなどの工夫の余地があると、文部科学省と調整しながら参考資料を作成する考えを示している。

このことについて、教育委員会としてはどのように指導しているのか。

【答弁要旨】高校教育課長

歴史教育については、それぞれの教科書の記述にもとづき行っている。生徒一人ひとりが歴史を通じてどう考えるのか、歴史には様々な解釈があるし、実際に教科書の書き方はいろいろある。そのことについて、生徒自身がどのように考え、どのように自分の歴史観をもつのかということが大切である。

教育委員会は、歴史観を一方的に生徒に押し付けるという考えはない。今ある教材を通じて指導していく。その上で、生徒一人ひとりが歴史観を築いていくことが重要であると考えている。

【質問要旨】北井委員

「独立記念館」や「西大門刑務所歴史館」は神奈川の高校生にとって適切な教材であると考えているのか。

【答弁要旨】高校教育課長

「独立記念館」に絶対行ってはいけないということは、教育委員会として言うことはできないし、そのつもりもない。学校がいろいろな検討をして生徒を連れて行き、生徒が実際見てどう感じ、どのように自分で歴史観を培っていくかが重要である。

それを見せて、正しいとか間違っているとか、ということを教員が指導していくことは考えていない。生徒が様々なもの、他のものを見てどう考えていくのか、教員がそういう場面をどう作っていくのかを考えているので、それが、正しい教材であるとか、適切な不適切な教材であるとか、という考えはない。

【質問要旨】北井委員

何も知らない、しっかりとした歴史観をもてない生徒が「独立記念館」や「西大門刑務所歴史館」の展示を見たときに衝撃を受けることについて、今の考え方は非常に無責任で怒りを覚える。

先の常任委員会で近現代史教育について、しっかりとした考え方を聞いたが、今の考え方を聞く限り非常に不安である。
子どもたちがどんな感想をもったのか、修学旅行の感想文を資料として求めたい。

【答弁要旨】高校教育課長

生徒がどういう感想をもったかは、資料として出すことはできない。

【要望】北井委員

子どもたちが果たして、修学旅行に行った結果どうなったのか、我々が求めていく教育観に適しているのかどうかを確認していただくことを要望して終わりにする。

【要望】山口委員

修学旅行は、学校の教育目標や特色に応じて、もっと行き先や内容を工夫すべきであり、日ごろの学習では行うことができない活動を積極的に取り入れるなどして、より実りのあるものにしていただきたい。

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